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内幸彦シニアフェロー(旭化成)が宮大で講演

本紙掲載日:2023-11-16
3面
講演後、学生の質問に答える内シニアフェロー

問題の本質を見極める力、問題を定義する力が大切

◆伸ばすべきデジタル人材は

 宮崎大学と旭化成、宮崎銀行など5者で構成する県デジタル人財育成コンソーシアムは9日、宮崎市の宮崎大で講演会を開いた。旭化成デジタル共創本部の内幸彦シニアフェローが講師を務め、今後の社会において身に付けておくべき能力などを学生らに伝えた。

 内シニアフェローは1984年入社。シミュレーション技術を活用した製品開発や工場のプロセス改善など、現場の課題解決に携わってきた。

 医薬以外のさまざまな領域を経験し、人工臓器学会技術賞などを受賞。出願特許は20件で、うち7件が登録されている。

 2015年からは、AI(人工知能)技術などで材料開発を効率化するマテリアルズ・インフォマティクスに取り組み、同社のDX(デジタルトランスフォーメーション)をけん引。社員約5万人のうち5人しかいないというシニアフェローの一人となっている。

 講演では、乗り物の馬車と動力の蒸気機関との掛け合わせで蒸気機関車が生まれたことを例に挙げ、「従来技術の組み合わせでイノベーションは起こる」と説明。その上で、今後のイノベーションなどには「専門分野とデジタル技術の組み合わせが重要」と強調した。

 デジタル人財として伸ばすべき能力についても言及。知識や技術を単に使いこなすことはAIでもできるようになるとして、これからは「問題の本質を見極める力、問題を定義する力などが求められるようになる」と伝えた。

 講演後はディスカッションが行われた。その中で「新しい発想やチャンスをつかむ上で意識していることは」という学生からの質問に対し、「とにかく四六時中考えるしかない。これは当然で、あとは『できる』という変な自信も必要」と熱心に答えた。

 同コンソーシアムは、デジタル人財の育成を通して、本県の産業や企業を活性化することを目的に今年5月に発足。講演会は学生向けのプログラムとして実施し、対面とオンライン合わせて約40人が参加した。

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