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ダム通砂開始−耳川の西郷と大内原ダム
本紙掲載日:2017-08-05
3面

放流を始めた九州電力の大内原ダム(8月5日午前、美郷町西郷)

九電−台風接近で初の運用

 台風5号の接近に伴い、九州電力耳川水力整備事務所は4日午後11時40分から、耳川水系の下流2ダム(西郷ダムと大内原ダム)で、河川に堆積した土砂を上流から下流へと自然に流下させるダム通砂(つうさ)の実施態勢に入り、ダムの水位を下げるための放流を開始した。ダム通砂の運用は今回が初めて。

 予想される台風などの大規模出水に備えて事前にゲートを開き、ダムの水位を低下させ、河川本来の流速に近づけることにより、土砂を流出させる水の力を回復させる――というもの。ダム上流部の洪水対策だけでなく、多様な生物の生息する本来の河川環境にも近付くと期待されており、通過する土砂による水質への影響はほとんどないという。

 耳川水系は平成17(2005)年9月、台風14号の大雨によって流れ込んだ大量の土砂によって氾濫。諸塚村など流域の市町村は甚大な被害を受けた。

 同事務所はこれまで、浸水リスクの比較的大きい下流3ダム(山須原ダム、西郷ダム、大内原ダム)をダム通砂運用の対象とし、うち西郷ダムと大内原ダムの改造を平成22年度から進めていた。既存ダムの改造によるダム通砂運用は、国内では初めての取り組み。山須原ダムを含む3ダムによるダム通砂運用は、同33年度からを予定。

 九州電力宮崎支社は「今後、最下流の大内原ダムでは徐々にダムの水位を下げるため、降雨が少なくてもダム下流の水かさが少しずつ増えてきます。川に近づく際には十分に気を付けてください」と呼び掛けている。