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伝統野菜イラカブ復活へ−美郷町西郷
本紙掲載日:2017-09-02
7面

イラカブの種から作ったマスタード。「脂っこい肉料理や淡泊な魚料理によく合う」と林さん
美郷町西郷の伝統野菜イラカブ。手に持つのは生産者の黒木さん(今年1月撮影)

クラウドファンディングに挑戦

 美郷町西郷の伝統野菜イラカブの復活に取り組んでいる日向市の林幸広さん(35)ら「いらかぶ復活プロジェクト」は現在、インターネット上で資金を募るクラウドファンディングに挑戦している。生産者の減少で、数年後には絶滅の可能性もあるというイラカブ。支援者には返礼品としてイラカブの種から作ったマスタードを贈る計画で、林さんは「たくさんの人にイラカブの存在を知ってもらい、伝統野菜の文化を守っていきたい」と支援を呼び掛けている。

 イラカブはカラシナの一種。同じカラシナの一種「アザミナ」と似ているものの種類は異なる。葉はギザギザしており、数十年前までは美郷町西郷の立石地区で、主に漬物用として盛んに栽培されていた。

 立石地区には、イラカブは「高千穂郷を治めていた三田井氏の先祖である高千穂太郎から伝えられた」という言い伝えも残る。不思議なことに、西郷の中でも立石地区以外には、ほとんど知られていない。

 現在は生産者の高齢化などにより、種の確保を目的に3戸の農家でほそぼそと栽培されているだけで流通は全くしていない。このまま放っておくと「数年後には絶滅の可能性もある」という。

 とても丈夫な野菜で、荒れた田畑で放っておいても成長するため、手間をかけず、無農薬で栽培できる。

 林さんは、地元生産者の黒木竜太さん(37)らと共に昨年4月からイラカブの調査を開始。県総合農業試験場の薬草・地域作物センターの協力を得て、10月に種をまき、11月にベビーリーフ(若い葉)を試食。今年5月には約30キロの種を収穫した。

 「とにかくたくさんの人にイラカブの存在を知ってほしい」と今年6月、林さんらは起業者らの経営相談に応じている日向市産業支援センター「ひむか―Biz(ひむかビズ)」に相談。インターネット上で資金を募るクラウドファンディングのサイト「FAAVO(ファーボ)宮崎」を活用し、支援の輪を広げることにした。

 同時に、林さんの勤める日向市東郷町の「障がい者支援施設スマイルホーム360」と連携し、障害のある人の就労の場を見据えた環境整備にも取り組んでいる。

 「可能性のある素材。伝統野菜の文化を守りながら、魅力ある商品を作り、存在価値を高め、地域の産業へと育てていきたい」と語る。

 160万円を目標金額に10月3日まで挑戦する。集まった資金はマスタードなどの加工所の整備費や栽培面積を増やすため、新たな畑の購入費などに充てたいという。

 「いらかぶ復活プロジェクト」への支援は、インターネットサイト「FAAVO宮崎」(https://faavo.jp/miyazaki)で受け付け中。

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 なお、ひむかビズを運営する日向地区中小企業支援機構は、ファーボ宮崎の運営会社「サーチフィールド」とパートナーシップ契約を締結。林さんらによる今回の挑戦は、契約後初のサポートプロジェクトとなる。