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延岡大空襲、73年目の慰霊法要

本紙掲載日:2018-06-29
1面
犠牲者の冥福と平和を願った延岡大空襲の殉難者慰霊法要

今山大師殉難碑前−遺族ら焼香、平和願う

 昭和20年6月29日の延岡大空襲から73年が経過した6月29日、延岡市山下町の今山大師(野中玄雄住職)に立つ延岡空襲殉難碑前で慰霊法要が行われた。遺族やわか葉幼稚園の園児ら約55人が参列し、延岡で実際にあった悲劇を思い、犠牲者の冥福と平和を願った。

 午前10時、今山大師の鐘の音に合わせて一斉に黙とう。野中住職がお経を唱える中、参列者は殉難碑前の祭壇で焼香し、静かに手を合わせた。延岡市長代理の溝田輝男総務部長は「慰霊と平和を後世に伝えていくことは意義深い」、長年、遺族会の世話をしてきた吉本惟栄さんは「みなさんお参りいただいてありがとうございます。私も92歳になりましたが、100歳までは元気に続けていきたい」とお礼を述べた。

 北九州の戦争を記録する会がまとめた「米軍資料・北九州の空襲」によると、延岡大空襲は昭和20年6月29日未明、米軍の爆撃機117機が飛来し、91分間に焼夷弾約10万発を投下。市内中心部は瞬く間に火の海となり、多くの犠牲者を出した。

◆三ツ瀬町で被災、きょうだい3人亡くす

 参列した延岡市古城町の粟田房子さん(86)は空襲当時13歳で三ツ瀬町に住んでいた。空襲警報が鳴ると、母は1歳の妹を抱えて家の防空壕(ごう)へと避難し、房子さんも3歳と5歳の弟、7歳の妹とともに逃げ込んだ。

 しばらくすると米軍の攻撃で家が燃え上がり、その炎が防空壕に近づいてくる。危険を感じた母が外に避難したので、房子さんも慌てて飛び出したが、弟と妹3人は逃げ遅れてしまった。助けに戻ろうとしたが「もう間に合わない」と周囲に止められたという。

 房子さんは「毎年この日が近づくと空襲を思い出して眠れなくなる。私が元気なうちは、ここに会いに来ようと思う」と涙をこらえながら話した。

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