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護岸工事が完成

本紙掲載日:2019-03-25
1面
城山の石垣風に施工された板田橋―五ケ瀬橋間の五ケ瀬川右岸堤防護岸。補修に合わせ畳堤を川側に移動

畳堤移設〃千人殺し〃をイメージ−国交省

◆天端を拡幅−船倉地区の五ケ瀬川右岸

 歴史的な治水施設「畳堤」に配慮した延岡市船倉地区の護岸工事が25日、板田橋―五ケ瀬橋間の五ケ瀬川右岸で完成した。堤防天端を3メートルに拡幅し、畳堤を川側に移設。自然石を使って城山の「千人殺し」をイメージした石積みを施し、天端部が反り上がった〃忍び返し〃風の護岸に仕上げた。

 護岸工事は、築造から約80年が過ぎて老朽化した堤防の補修に合わせ、総工費1億5000万円で上流、下流側2工区に分けて施工した。延長220メートルの区間に敷設されている畳堤を取り外し、堤防天端を現在の1〜2メートルから3メートルに拡幅した上、畳堤を川側に移動させた。さらに、堤防の内側に転落防止用の柵を設置、周辺の景観に配慮した塗装を施した。

 国交省延岡河川事務所河川管理課によると、護岸の色目を城山の石垣に近づけるため、日向市平岩の山中から切り出した自然石を使用。緩やかな傾斜の護岸が急にせり上がり、「忍者でも登れない」とされる〃忍び返し、武者返し〃風に仕立てた。

 畳堤が現存する五ケ瀬川左右岸の堤防補強は、環境専門の大学教授や市民団体、区長、国交省、市などで構成する「畳堤プロジェクト」(平成26年発足)が、景観や完成後の利活用に配慮した整備方法を検討。これまでに船倉町―須崎町の五ケ瀬川右岸堤防補修が完成。堤防天端が広がり転落防止柵が設置されたことで安全が確保され、畳堤見学が可能になった。

 畳堤は、河川が増水して浸水が予測されると畳を差し込んで越水を防いだとされる歴史的な治水施設。五ケ瀬川と長良川(岐阜県)、揖保川(兵庫県)の3カ所に現存する。

 五ケ瀬川の畳堤(亀井橋―五ケ瀬橋下流間の左右岸約980メートル)は、大正末期から昭和初期にかけて建設され国内最古とされる。コンクリート製の枠の隙間に畳をはめ込むことで、堤防を一時的にかさ上げする目的で造られた設備で、歴史的価値が高く、デザインも優れているとして平成22年に河川功労者表彰、同26年に水防功労者国土交通大臣表彰を受賞。同27年9月に土木学会選奨土木遺産に認定された。

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