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子どもの居場所を考える座談会

本紙掲載日:2019-12-26
7面

親も子も「負け」ても大丈夫

◆評価的まなざし捨てよう

−−今、子どもたちの生きづらさをどう感じていますか。

〈今村〉子どもたちの居場所は家と学校の二つに絞られているように感じます。大人と違って選択肢はこの二つだけ。もしも、ここで自分の本当の気持ちを出せなかったとしたら、とても生きづらいと思います。今学校に行けている子どもたちの中にも、気持ちを押し殺して今にも爆発しそうな子どもって、きっとたくさんいるのだと思います。

 最近、公園から遊具がなくなっていっています。危険だからという理由でしょうか。ボール遊びを禁止している公園もあります。子どもたちは、こんなことをしたら痛いというけがの経験値も少ないし、公園でどうやって遊んでいいのかも分からない。そうなると、遊び相手は携帯電話やパソコンになってしまう可能性も。寂しいことです。

 もう一つ気になっていること。それは子どもたち自身、インターネットからたくさんの情報を得て「親の望んでいること」に敏感になってしまっていることです。

 子どもたちに「自分のしたいことは何」と聞くと、たくさん答えてくれます。でも、よくよく聞いていくと、それは「自分のしたいこと」ではなく「親のしたいこと」なのです。無意識に親に気を使っているのです。親もそれを「子どものしたいこと」だと思い込んでしまっている。でも本当は違う。

 子どもたちには「もっとわがままになっていいんじゃないの」と問い掛けます。そうでなければ、「自分の人生を生きている」とは言えないから。悩んでいること、困っていることは子どもも親も全部自分の中にあります。答えもまた、それぞれ自分の中にあるのではないでしょうか。

 僕たちスタッフは専門家ではないため、解決のためのアドバイスはしません。お茶を飲んだり、おしゃべりをしながら、共に学び合い、心穏やかに過ごせる居場所づくりを、ただ淡々と続けていきたい。それこそ一番難しくて一番大切なことだと思っています。


〈馬場〉学校に行っていない理由は子どもたちそれぞれに違うので、探るだけ無駄だなと、自分の経験から感じています。最近は「行きたくない」という気持ちを表に出せる子どもってすごいなと、不登校という状態自体を能動的な行為だと受け止めています。

 気になるのは大人(親)の過干渉が、子どもたちを生きづらくしている点です。

 今の子どもたちは学校が終わった後も、児童クラブや放課後デイ、習いごとなどスケジュールが詰まり、自由な時間がどんどん少なくなっています。「大人の目を盗み子どもだけで遊ぶ」時間の減少は「自分の世界」を創り出せないことにつながります。子どものことを全部大人が決めてしまうと、逆に子どもは自分のことが決めづらくなってしまいます。

 ギフトに来る、あるお母さんは「私は子どもの世界を邪魔しないようにしています」とおっしゃっていました。とてもすてきだなと思いました。

 子どもはかわいい。だから親は自分の所有物のように思いがちです。でもそうではない。自分のコピーでも延長でもなく、別の人間です。自分が学校が楽しかったからといって、子どもも楽しいと感じるとは限りません。

 私も、この子の人生はこの子が考えていくもの。そう信じてあげられるようになってから、かなり気持ちが楽になりました。


〈三輪〉日本の子どもたちは能力は高いが自己肯定感が低い。自分に自信が持てず、本音がなかなか言えません。それはきっと、教師や親など身近な大人から常に「評価的まなざし」で見詰められてきたからだと思うのです。

 常に人の目を気にして、人の評価を気にして生きてくると、自分の本当の気持ちを大切にすることが苦手になります。そして「競争に負けそうな自分」「弱い自分」を自分自身で憎むようになり、自分が嫌いになってしまう。つまり、自己肯定感が低くなるのです。

 それが日本では学校という枠で制度化されてしまっている。当然、親自身も「評価的まなざし」を受けて育ってきたわけですから、「競争に勝てる人になってほしい」というメッセージが、より強く子どもに伝わってしまいます。

 また、わが子が学校に行きたがらなかったり、不登校になったりすると、親は「学校から落ちていくことは人生から落ちていくこと」と受け取ってしまいます。悪気はないのですが、そんな価値観が存在するのも当然と言えば当然なのです。

 学校の記念行事などに参加すると、立場のある人たちが壇上で話をされます。そして真顔でこんなことをおっしゃる。「国際社会は非常に厳しい。生き残れる国を造らなければならない。生き残れる学力を身に付けなければならない」。

 このようなメッセージは、子どもたちに「未来は弱肉強食の社会で、競争に負けた人や弱い立場の人は生きていけない」というイメージを強く持たせてしまいます。そうなると、いくら一方で「これからは多様性の時代です。地域共生の社会です」などと言っても、子どもたちは信じてくれません。

 学校に行こうが行くまいが、障害があろうがなかろうが、お金を持っていようが持っていまいが、全ての人に生きる権利があります。そう憲法で保障されています。負けても生きられるのです。
 
私たち大人は子どもたちに「弱肉強食」ではなく「切磋琢磨(せっさたくま)」という競争、つまり「共に生きていく」というメッセージやイメージを届ける必要があるのではないでしょうか。

 本流は学校を変えていくことです。でも、それはなかなか難しい。先生たちも生き残るために必死です。親だってそうです。生活を抱え、困難に立ち向かっています。

 だったら地域でできることはないか。そう考え、一つのアプローチとして、私たち「日向子ども研究所『絆』」は2017年4月から「子ども食堂」に取り組んでいます。

 月に1回、子どもたちにおなかいっぱい食べる機会と居場所を提供しています。子ども食堂のような居場所が、せめて小学校区に一つはあるといいなと思っています。


◆県北にフリースクール必要−校区に一つ子ども食堂を

−−今後どのように活動を続けていきたいとお考えですか。

〈今村〉子育てに正解はありませんよね。それを皆さん一生懸命にされています。その結果つまずいてしまったときは「モトコモリカフェ」に来ていただき、保護者も自分を癒やしてもらいたい。気持ちを整理してもらいたい。いつでも誰でも、ここを必要としている人に来てもらいたい。

 そのスタンスはこれからも変わりませんし、変わることのないよう、貫いていくつもりです。

 あと、できたら学校の先生たちにもこの活動に関わってもらいたいと思っています。「学校という場ではどうすることもできないけれども、ここだったら自分の思いを表現できるかもしれない」。そんな先生たちの選択肢の一つとしても、この居場所を利用してもらえたらと思っています。


〈馬場〉「ギフト=gift」という英語には才能という意味があります。どの子どももみんな、でこぼこがあります。そこから好きなこと、得意なことを遊びの中で一緒に見つけ伸ばしていきたいと思い、1年半が過ぎました。実際に子どもたちを見ていると「天才だな」って思う子どもばっかりですよ。

 「子どもが楽しく自分らしく学ぶフリースクール」を目指していますが、今の時点ではギフトを利用しても、学校の出席扱いにはなりません。ただ延岡市の教育委員会も、どうすれば子どもの不登校を減らせるか、民間の機関で出席日数を認めていくにはどのような要件が必要か、などの検討に乗り出したようです。

 まだこれからの段階ですが、民間と行政が連携し、子どもたちの第3の居場所として県北に将来、フリースクールが一つできるといいなと思っています。

 それともう一つ。近々、「不登校の親の会」を立ち上げたいと考えています。意外かもしれませんが、県内には親でつくる会がありません。わが子が不登校であることを表にしにくい地域性も関係しているのかもしれません。

 何とかそこを突破した保護者に集まってもらい、同じ悩みを持つ当事者同士、気持ちをはき出し、情報を交換しながら、学び合いたいと思っています。


〈三輪〉不登校や引きこもりの子どもたちに、よく私たち大人は「今のままでいいよ」「ありのままでいいよ」と声を掛けがちです。でも、先ほども言いましたが、一方で「未来は弱肉強食の社会で、競争に負けた人や弱い立場の人は生きていけない」という強いメッセージを本流として子どもたちに伝えています。子どもたちが素直に「今のままでいい」「ありのままでいい」と思えないのも無理はないのです。

 そんな中、今村さんも馬場さんも、ありのままの自分を大切にできる居場所や人のつながりを地域でつくり出そうと、一生懸命に取り組まれています。

 活動の形は少しずつ違いますが、お二人の話を聞かせてもらい、同じ思いであることがよく分かりました。同じ地域の仲間として手を結び合い、私たち「日向子ども研究所『絆』」も、さらに取り組みを発展させていけたらうれしいです。

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