新藤、判定でライバル下す−６年生の部

第１８回夕刊デイリー新聞社旗争奪少年柔道大会・ハイライト

◆粘り強い戦いで初の頂点

　白い旗が２本揚がり優勝が決まった瞬間、自分でも信じられないといった様子で天井を見上げた。個人戦６年生の部決勝。延岡少年の新藤は「絶対に勝てないと思っていた」。３連覇中だった同門のライバルを判定で破り、夢見心地だった。

　「自分から技を掛けていく」。１６０センチ、９５キロの大きな体で、１４５センチ、５０キロに向かった。はたから見たら分がありそうな対決だったが、「向こうの方が動きが速いからこっちの方が不利」。相手の強さを知っているからこそ胸を借りる気持ちで攻めた。

　互いに県の重量級と軽量級の王者。試合は当然のように拮抗（きっこう）したが、「組手がうまくて、日ごろの練習ではいつも組み負けていた。下から組手を取ってくるので、自分も下から狙った。しっかりつかんで動きを封じた」と対策が奏功。「今までで一番良い戦いができたと思った」。相手に自分の柔道をさせなかった分だけ勝った。

　準々決勝以降は旗判定が続くなど「調子は良くなかった」という今大会。それでも「絶対に負けられない」という県王者としてのプライドと、「素早い動きにもついていけるようになった」という確かな成長を自信に、粘り強い戦いでテッペンに立った。

　ただ、満足はしていない。「もっと練習して、次は全て一本で勝つ。立ち技のキレも寝技もまだまだ。もっと強くなる」。この優勝をステップにさらなる高みを目指す。