高千穂高３年生が課題研究の成果を発表

生産流通科と経営情報科合同

　高千穂町の高千穂高校（持永一美校長）生産流通科と経営情報科による合同の課題研究成果発表会はこのほど、町自然休養村管理センターであり、両学科の３年生が年間を通して取り組んだプロジェクト学習の成果を発信した。


　これは、基幹産業でもある農業の振興や地域活性化に貢献できる人材の育成が狙い。今年度は、生産流通科の１１人と経営情報科の３７人が「課題研究」という科目の中で、班ごとに地域活動や農業実習での課題をテーマに設定し、企業などと連携しながら取り組みを進めてきた。

　発表会は、これまで学科別に行っていたが、その成果を広く発信する場として企画。生産流通科の「お茶」「畜産」「野菜」「草花」の４班、経営情報科の「地域貢献」「資格取得」「職業体験」などの５班が、招待した地元の小・中学生や保護者、地域の人たちら約２００人を前に発表した。

　このうち、野菜班３人は「『安全・安心』な野菜栽培をめざして」をテーマに、野菜栽培技術の確立、作業省力化、オリジナル商品の開発、ＧＡＰ（農業生産工程管理）研修に取り組んだことを紹介した。野菜の栽培で、多くの時間を費やしていた水やりや施肥に着目。試作を重ね、手作りの液体肥料混入機を完成させ、自動で水や液体肥料を与えることを可能にすることで大幅な作業時間の短縮化につながったという。

　また、それによって浮いた作業時間を活用し、新商品の開発としてイチゴの規格外品を使ったいちごジャム作りに挑戦。苦労しながらも、オリジナルキャラクターを配したラベルも制作するなどして商品化できたことをアピールした。生徒は「生産流通科として農場生産物のイチゴを利用して加工、販売という流通まで実践的に学ぶことができ、大きな一歩だと感じた」と話した。