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トンネルはなぜ必要なのか

本紙掲載日:2020-03-10
7面
シンポジウム参加者の心に響く発表を行った甲斐桜さん

若者の声に感動−国道503号シンポジウムから

◆私には諸塚の未来像があります

 日向圏域国道5路線整備促進期成同盟会が1月29日、諸塚村中央公民館で開催した「国道503号シンポジウム」の席上、「将来を担う若者の声」に登壇した甲斐桜さん(諸塚中学校2年)の発表が、参加者の感動を呼ぶとともに話題となった。

 甲斐さんは、少女らしい素直な気持ちで故郷の現状を憂うとともに課題を真摯(しんし)に見詰め、自らと故郷の将来をしっかりと描いた。生まれ育った故郷、諸塚へのあふれんばかりの愛と飯干トンネル開通への思いが聞く人の胸に響き、発表を終えた甲斐さんには、この日最も大きな拍手が送られた。発表を紹介する。

◇「私の大きな夢」諸塚中学校2年・甲斐桜

 「飯干峠にトンネルを」。初めてこの言葉を聞いた時のことを私は今でも覚えています。私の住む飯干にトンネルができる。トンネルが何の役に立つのかさえ分かっていなかったのに、大喜びしていました。

 それから何年がたったでしょうか。私のトンネルへの期待はだんだん小さくなっていました。「トンネル開通なんて夢のまた夢だ」。そう思い始めた矢先、「トンネルがあれば…」。そう思った出来事がありました。

 それは去年の春のことです。4歳の弟が体調を崩し、病状が治まらない日々が続きました。母は、私も小さい頃行っていた熊本県の小児科病院に連れて行こうと思ったそうですが、「途中で気分が悪くなってしまったら大変だ」ということで、結局、弟が病院に行けたのは病状が軽くなってからでした。もしもトンネルがあればここまで大変な思いをしなくて済んだのだろう。そう考えるとやっぱりトンネルができてほしいと思いました。

 5分で五ケ瀬町に抜けることができる。これが村の住民にとってどれだけありがたいことなのか。飯干地区からだと日向市内より高千穂町の方が近いので、飯干峠を越えて高千穂町まで買い物や病院に行く人がいます。ですが、離合が大変だったり、台風や積雪などで通行止めになったりするのですごく不便です。雪で通行止めになったために、仕事で高千穂町に行くために何時間もかけて遠回りしたという人の話も聞きました。

 飯干地区は決して住みやすい場所ではありません。けれど、自分の故郷を守りたい。そんな思いが私たち飯干地区の人にはあります。

 飯干地区では去年、桜の木を地域住民みんなで植えました。その時「今の子供たちが大人になって帰ってきた時にこの木々が迎え入れてくれるように植えましょう」。そう言っていた人の表情が今でも忘れられません。

 桜の木が大きくなってきれいな花が咲くのは今から何十年も後のことでしょう。その時の飯干地区に住んでいる人は減少し、今のような活気ある地域ではないかもしれません。それを分かっていながらも地域の人は未来のために、私たちのためにたくさんのことをしてくださいます。

 私は将来、村外でキャリアを積んで生まれ育ったこの諸塚村で活躍したいと思っています。ですが、正直なところ飯干地区に住むかは分かりません。しかし自分が住まないからと言って飯干地区を放っておくことはできません。今までたくさんの人が守ってくれた地域。ここに住んで15年近くたちます。この地域のために、地域の人たちのために何かできることはないのか。

 私には諸塚の未来像があります。それは、村外からの移住者がつくっている諸塚村です。

 全国的に人口減少は進んでいます。そんな中、小さな村の過疎化が急激に進んでいくのは当たり前のことです。ではこの地域を守り続けるためにできることは何なのか。それは他の地域との助け合いです。私たちが将来町の方に住みたいと思うように、諸塚のような自然に囲まれたところに住みたい、そう思っている人もいると思います。実際、移住して諸塚村のようなところに住んでいる人はたくさんいます。

 では、なぜ諸塚村に移住してくる人はあまりいないのか。それは交通面も大きく関係してくると思います。同じような地域でも交通のアクセスなどに大きな差があれば不利になってしまいます。

 今の世の中、誰もが利便性を求めます。トンネルはそんな世の中になくてはならないものです。飯干峠のトンネルは私たちの想像以上に大きな役目を果たすと思います。トンネルが開通したとき、どんな景色が待っているのか。どんな未来が待っているのか。飯干峠のトンネルは地域と地域、人と人をつなぎます。

 私たち住民のために、思い出の詰まった大切な故郷のために、そして未来のためにトンネルが開通することを願っています。

 完成したトンネルを通って、きれいな桜が咲いている大好きな故郷に帰ってくること。それが私の大きな夢です。

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