子どものために弁当を

こども食堂のべおか今山

◆３０食限定、１３日まで無料配布−休校に対応

　延岡市山下町の「こども食堂のべおか今山」（峰田知恵子代表）は、学校の休校で給食がない子どもたちの助けにと、９日から弁当の無料配布を始めた。対象は子どものみで１日３０個限定。１３日まで毎日続ける予定。

　毎月第１〜３金曜の夕方と第４土曜の昼に「こども食堂」と、毎週火・木曜に一般を対象にした喫茶部「すずめのお宿」を〃開店〃している。ところが、新型コロナウイルス感染防止で学校が休校、公共施設が閉館となったことから、こども食堂の回数も減らすことになった。

　ただ、大人が対象の喫茶部は通常通りに開き、近くの人らが訪れている。自粛ムードの中でも、人が集まり談笑する姿に峰田代表は「子どもはどうしているだろうか」と気になった。聞いてみると子どもたちが、外に出ないように指導をされていることも分かった。そこで「給食がなくて子どもたちが困っているのではないか。こういう時だからこそ弁当を」と考えたという。すぐにスタッフと話し合い弁当の提供を決めた。

　提供２日目の１０日は、喫茶部の開店日。スタッフは、ランチを食べに来る大人に愛情のこもった食事を提供しながら、同時並行でお弁当を準備。おにぎり、ミートボール、ゆで卵、野菜炒めなどをパック詰め。牛乳とゼリーも一緒に袋に入れ、３０セット用意した。

　正午を過ぎると、同食堂の常連客になっている子どもたち、通りがかりの子どもたちに、スタッフが「あしたもおいでよ」などの言葉を掛け、まだ温かい弁当を手渡していた。

　峰田代表によると、１日目に訪れた高校生が「おにぎりだけでも大丈夫です」と食堂に来たのを見て、「おにぎりだけでもあったら助かるのか」と実感したという。そこで当初は９〜１１日の３日の予定だったが、１３日までの５日間に延長した。用意する弁当は３０個分だが、「たくさん来ても対応できるようにしたい」と話した。