別れ惜しみ、飛躍誓う

公立中学校で卒業式

　県内の多くの公立中学校で１６日、卒業式があった。臨時休校中の式典開催で、新型コロナウイルス感染防止のため、在校生や来賓が出席しない異例の状況となったが、仲間との別れを惜しみつつ、新しい道での飛躍を誓った。

　延岡市細見町の上南方小中学校（山本琢也校長、１７６人）中学部（４９人）では、１３人が巣立ちを迎えた。一人一人に卒業証書を手渡した山本校長は、「心身共にたくましく成長された皆さんがいとおしく、まぶしく見える」と話し、卒業生が「全校をリードしてきた数々の姿」をたたえた。「皆さんが歩んでいく時代は不透明な時代。だからこそ足元をしっかりと見つめること、ふるさとを誇りに、人としての基本を忘れないことを大切にしてほしい」とはなむけの言葉を贈った。

　答辞で青柳慧修さんは、「これからそれぞれの道を歩んでいく。時には大きな壁もあり、打ちのめされそうな時もあるでしょう。そんな時はみんなと過ごした日々を思い出す。きっとたくさんの思い出が励ましてくれると思う」と話し、「卒業とは中学生活の終わりでもあるが、新たな人生の出発点でもある。前を向き、夢に向かって歩み続けていきます」と決意を語った。

　卒業生は、休校中でかなわなかった卒業アルバムの寄せ書きの代わりにと、中学部の教職員が準備した色紙を担任教諭から受け取り、保護者に見守られながら退場した。

　県教育庁の発表によると、１日現在の卒業予定者数は９３４８人で、昨年より１５８人減った。県北９市町村の卒業予定者数は２０１６人。高千穂町と日之影町は１７日、卒業式が開かれる。