延岡市独自の緊急支援策

商議所窓口、１００万円上限に融資

　新型コロナウイルスの国内外での感染拡大を受け、延岡市は１７日、市独自の緊急支援対策を発表した。融資が実行されるまでの間、中小企業につなぎ融資を行う感染症対策緊急貸付事業などが主な内容。総額１億５３５９万円の事業費を計上した今年度と来年度補正案を１８日、市議会３月定例会に提出した。

　感染症対策緊急貸付事業は、新型コロナウイルス感染症による消費活動の停滞で深刻な影響が生じている市内事業者の資金繰りを支援するため、国や県の資金繰り支援に連動する形で、金融機関の融資実行までの間、無利子・無担保で一定額を貸し付ける制度で、事業費１億円を計上。

　延岡商工会議所に事業資金として１億円を貸し付け、市の指定する国などの制度融資の申し込みを行った市内中小・小規模事業者（市税の滞納がないなどの条件あり）に対し、１事業所あたり１００万円を上限に貸し付ける。貸付期間は、国などの制度融資が実行された翌日まで。

　また、県の「新型コロナウイルス感染症緊急対策貸付」を利用する中小・小規模事業所に対し、利用者の負担となる融資利率の一部を支給する。利子補給額は、融資利率のうち１％に相当する額で、補給期間は１０年間。

　雇用維持緊急支援事業としては約６００万円を。計上。国の雇用調整助成金の特例措置などの申請手続きが宮崎労働局（宮崎市）でしかできないため、活用にあたり社会保険労務士など専門家に手続きを依頼した際の費用などを経費の３分の２以内、１社あたり１０万円を上限に支援する。

◆保育所や子ども食堂などにも補助

　保育所や幼稚園などの感染症予防対策費には３０００万円。国の緊急対応策を受け、認可保育所と幼保連携型認定こども園などが購入する保健衛生用品の費用を国費で補助するとともに、対象でない幼稚園、幼稚園型認定こども園にも同市が同様の補助（１施設あたり上限５０万円）を行う。

　また、学校休業中の子どもたちの食事支援として、市内６カ所の子ども食堂などで無償で子どもたちへの食事（弁当）を提供する団体などに対し、食材確保や容器代などにかかる費用の一部（１食５００円上限）を助成するなどする。

　このほか、午前中から開所して子どもを預かる児童クラブへの費用や、ファミリーサポートセンター利用者の負担額の助成事業費なども計上している。