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約10カ月ぶり〃ふるさと〃へ

本紙掲載日:2020-04-01
8面

門川町指定有形文化財「日蓮聖人像」

◆京都・美術院で修復−勝蓮寺に遷座

 門川町三ケ瀬区の妙覚寺跡日蓮堂に安置されていた町指定有形文化財「日蓮聖人像」が3月30日、京都国立博物館文化財保存修理所内の公益財団法人「美術院」での修復を終え、昨年5月以来約10カ月ぶりに帰還、新たな安置場所となる地元の法華宗勝蓮寺(川内田岳史住職)で遷座法要が営まれた。

 町などによると、日蓮聖人像は1394(応永元)年造立の座像。像高は80・8センチ、左右に伸ばした手の幅は138センチ。材質はヒノキ材、水晶の玉眼が入れられていたとみられ、仏像内部に日蓮宗特有のひげ曼茶羅(まんだら)の墨書(造立銘文)、圓蔵坊宗玄(えんぞうぼうそうげん)の仏師銘がある。

 等身大の肖像彫刻であることや、内部に残る墨書から、美術的にも学術的にも重要な文化財であるとの高い評価を受けている。

 2011年7月、町の有形文化財に指定されたが、専門家から「修復なしの保存は不可能」との指摘を受けたことから、将来への確実な維持、継承と今後の活用を推進するため、昨年5月に搬出、美術院で修復作業が行われていた。

 遷座法要には、安田修町長や金丸隆康副町長、新原とも子教育長をはじめ、三ケ瀬区の黒木映(うつみ)区長、寺の総代役員ら約20人が参列。川内田住職、先代住職の日學(にちがく)さん(68)、住職の息子隆祥(りゅうしょう)さん(13)の親子、孫3代による読経の中、静かに手を合わせ、修復作業の成功と帰還、地域の一層の安寧を願った。

 川内田住職は「法華宗では、来年が日蓮聖人生誕800年という記念の年。626年間、ずっと地元の人たちをお守りくださった聖人像が、生誕800年に近しい年にきれいな姿で戻られたことに深い仏縁を感じる。いつでも声を掛けていただければ、開帳させていただく」とあいさつ。

 黒木区長は「地元を挙げてお祝いしたかったが、新型コロナ感染症の影響もあり残念」としつつ、「(日蓮聖人像は)美術的にも学術的にも専門家から高い評価をいただいている。今後、多くの方にお参りしていただくとありがたい」と話した。

 法要には、修復を担った美術院の片山毅育成部長ら2人も参列。片山部長は、日蓮聖人像の特徴や構造、破損の状況、実際の修復作業などについて「当初の形に戻すのではなく、現在の状態を維持する修理を行った。過去に1度、京都で修復されていることも分かり、2度目の京都での修理に深い縁を感じた」。

 また「学術的にも非常に貴重なもの。『九州の方で日蓮堂が造られた一番最初のものでは』と言われる学者もいる。これから守り伝えていくための貴重な経験をさせていただき、ありがたかった」などと語った。

 修復を終えた聖人像は、日蓮堂の老朽化に伴い、当初は三ケ瀬集落センターに安置して維持・管理する計画だったが、防犯や防火、温度、湿度などを含めた文化財管理規定や条件を満たすことができないとし、同寺に安置されることになったという。

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