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黒毛和牛の放牧に挑戦

本紙掲載日:2020-04-17
8面

広島から移住の八崎さん−牛肉本来のうま味を追及

 延岡市北川町の鏡山牧場で、広島県から移住してきた八崎秀則さん(45)が、黒毛和牛を放牧で育てるという全国でも珍しい取り組みを進めている。脂身部分の「サシ」を入れるのではなく、本来のうま味を追求した肉は首都圏の高級レストランなどから注目が集まる。3月末には東京五輪に食材を提供するために必要な認証も取得し、これから目指すのは全国、そして世界。八崎さんは「今年からは本格的にやっていける」と意欲に満ちあふれている。

◆素人で始めた畜産−〃日本一〃の宮崎へ

 広島県で肥料メーカーの社長をしていた八崎さん。仕事で生産現場に触れることはあったが、畜産は全くの素人だった。仕事で全国を飛び回り、生産者と触れ合ううちに湧き上がってきたのは、「自分自身が1次産業に」という思い。肥料メーカーが軌道に乗ってきた2016年、畜産の世界に飛び込むことを決めた。

 当時、宮崎県は和牛のオリンピックとも言われる5年に一度の全国和牛能力共進会で連続日本一を獲得。「2回もチャンピオンを取るような県。牛を飼うには一番環境がいい」と他県には目もくれずに宮崎県を選び、鏡山からのロケーションが抜群だった延岡市に移住した。

 鏡山牧場は標高645メートルの鏡山山頂にあり、65ヘクタールの広大な敷地には豊かな牧草が茂る。眼下には海が広がり、晴れた日には四国まで見渡せる。「まずは景色が最高だった。これだけ広い面積があれば、思う存分に自分のやりたいことができる」。畜産農家での研修などを経て、市からの施設貸与が決まった17年夏から放牧を開始した。

 扱うのは子牛を産む役割を終えた「経産牛」。牛をけがさせてしまったり、死なせたりすることもあったが、そのたびに自身で柵を張り、重機で斜面の整地を繰り返した。

 1年後、納得のいく一頭をと畜して食べてみると、「えらいおいしかった。これはいける」。放牧で育てたことでサシが抜け、赤身に本来のうま味が凝縮されていた。

◆世界のトレンド「グラスフェッド」−食のプロも熱い視線

 放牧で牧草を食べさせて育てた牛肉は「グラスフェッド」と呼ばれ、国内では取り組む牧場は少ないが、世界的なトレンドとなっている。さらに放牧で育てることは、動物らしい生き方をさせようという倫理観に基づく国際的理念「アニマルウェルフェア」にも合致する。

 こうした背景もあって、鏡山牧場の肉は食の専門家にも驚きを与えた。昨年12月、幕張メッセ(千葉県)で開催されたアジア最大級の国際食品・飲料展「フーデックスジャパン」に出展。お披露目となったイベントで、用意したローストビーフはあっという間になくなる盛況ぶりだった。

 手応えをつかむと、当初想定していたローストビーフやハンバーグなどの加工品だけでなく、飲食店が求めるステーキ肉の生産も試みる。経産牛は筋の多さや硬さがあるため、放牧の方法などを研究しながら試行錯誤した。

 「最初は失敗も多かったが、放牧を研究し続けて、今は「『いい肉だね、おいしいね』と評判良く食べてもらっている」。都市部の高級レストランなどからの問い合わせは絶えず、市内でも鏡山牧場の肉を取り扱う飲食店も出てきた。

 今年3月には、家畜衛生や食品安全、農場経営など113項目をクリアした日本の標準的な認証「JGAP」を取得。今年を本格的なスタートの年と位置付け、国内外の販売網の構築に乗り出した。

 延岡に移住して約3年半。「やっている最中はつらかったが、振り返ると楽しかった」と笑う。飼育頭数も少しずつ増え、今では100頭近くになっている。

 今後の夢は「若い子たちが『畜産ってすげーいい仕事じゃん』って思ってもらえるような仕組みづくり」。そう考え、牧場を法人化し、社員の休みや福利厚生の充実にも力を注ぐ。

 今月1日からは宮崎大学農学部を卒業した新社会人が入社した。「今が力の入れどころ」。体制を整え、年間100頭以上の出荷を目標に勢いを増している。

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