コロナ禍を乗り切る緊急インタビュー・十屋幸平日向市長

支援策−国県制度、有効なものを活用

◆利子補給など市独自の助成も

――市の現状は。

農林水産業、サービス業、飲食業などを含め非常に大きな被害が出ていると認識しています。各部各課を通じてヒヤリングをしている段階で、それぞれに向けて早急に対策を講じていきます。

――行政としてどのように臨んでいるか。庁内の窓口対応は。

国のさまざまな施策や制度などの情報を各部各課で収集しており、国や県、商工会議所などと連携を図りながら取り組んでいきます。庁内の玄関口にアルコール消毒液を配置し、全職員が手洗いとマスクの着用を徹底し、市民の方と接する部署は飛沫（ひまつ）防止のビニールカーテンを施しています。１日５回の換気も行っています。私も含め、特定警戒都道府県への出張はできるだけ控えるようにしています。

――市内経済７団体から出された経済対策強化を望む要望書をどう受け止めているか。

深刻な状況の中で要望をいただいており、日向商工会議所と連携しながら、国県の制度の情報を収集して有効なものを活用していきます。申請手続きなども可能な限り簡素化し、利用しやすいような制度も検討していきたいと考えています。

――市独自の支援策や消費喚起を促すため何か考えはあるか。

事業者への資金繰り支援として、県中小企業融資制度の「新型コロナウイルス感染症緊急対策貸付」を利用した方へ３年間の全額利子補給制度を設けています。雇用の維持では、国の雇用調整助成金の申請手続き支援として、社会保険労務士等の専門家による相談会の開催や、手続きなどを委託した際の費用への助成も考えています。特に影響が深刻な市内の飲食店については、テイクアウトやデリバリーなどで利用促進が図れるクーポン券発行などの支援策を検討しています。Ｖ字回復フェーズの段階では、プレミアム商品券などの発行についても検討したいと考えています。今後も国や県、経済団体などと連携を図りながら、地域の産業を支援し、この状況を乗り切っていきたいと考えています。

――大型連休を控え、サーファーなどの観光客への対策は。

お倉ケ浜ビーチハウス駐車場を１８日午後から閉鎖したほか、金ケ浜や伊勢ケ浜のサーフスポットにも看板を設置し、シャワーなどの施設も使用禁止としています。県外からのサーフィン目的での来訪については、市民の皆さんから不安の声を多くいただいており、市のホームページなどで自粛を呼び掛け、波情報の配信もストップしました。また、道の駅以外の主な観光施設も休業中です。大型連休までに主要箇所に自粛を呼び掛ける横断幕の設置も検討しており、観光客の来訪はかなり抑制されてくると思います。

――最後に市民へのメッセージを。

市民の皆さんの命と健康を守るため、全職員や市議会などと連携し、情報を共有して全力で取り組んでいます。感染機会を未然に防ぐため、県外への不要不急の往来の自粛、特定警戒都道府県から来訪された方の２週間程度の外出の自粛をお願いします。一番効果的なのはマスクの着用や手洗い、せきエチケット。密閉、密集、密接の回避もいろいろな形で工夫しながら感染防止に努めていただきたいです。また、誤った情報に惑わされないようにお願いします。ここは一人ひとりが我慢して、知恵を出し合って感染症に立ち向かいたい。市民の皆さんの理解と協力をお願いしたいと思います。