架空請求詐欺被害防ぐ

佐貫さんに署長感謝状−延岡署

　高額当選金名目の架空料金請求詐欺による被害を未然に防いだとして、延岡警察署は２２日、ファミリーマート延岡卸本町店のアルバイト店員佐貫愛さん（２８）に署長感謝状を贈った。

　同署によると、延岡市内の５０代女性が６日、同店で電子マネーを購入しようとしたところ、接客した佐貫さんが不審に思ったという。

　購入理由を確認すると、女性がスマホに送られた「高額当選」などのメールを見せてくれたという。メールを確認した佐貫さんが、これはうそ電話詐欺と説明して購入を断念させた。

　女性は、犯人から「当選金の送金手数料として１万円分の電子マネーが必要」と指示を受けていた。

　同署で行われた感謝状贈呈式では、鍋倉幸次署長から佐貫さんに感謝状が贈られた。鍋倉署長は「勇気を出して声を掛けていただいたおかげで、未然に防ぐことができた。ありがとうございました」と述べた。

　佐貫さんは「スマホの扱いに慣れていない感じの方だったので、『課金なんかするのかな』と疑問に思った。これからも目を配って声を掛けていきたい」と話した。

　同署によると、昨年１年間に認知された特殊詐欺は県内で２４件（前年比２件増）、被害額３０００万円（同１７８４万円減）。このうち同署管内は３件（前年同）、被害額１３３万円（同６１万円減）。未然に被害を防いだ件数は県内で１７件（同４件減）あり、このうち同署管内は２件（同１件増）だった。

　今年に入って３月３１日までに認知された特殊詐欺は県内で３件、被害額１８３万円。管内の認知件数はゼロ。未然に防いだ件数は県内で５件、このうち管内は今回の１件となっている。