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惜しまれながら店じまい−盡鮎商店

本紙掲載日:2020-05-19
8面

こだわり続けた天然アユ−延岡

◆3代目夫婦、巡り会いと支えに感謝


 清流五ケ瀬川に育まれた天然のアユにこだわり続け、その姿や香り、味が全国でも高い評価を得てきた延岡市北新小路の「盡鮎(あゆ)商店」が、今年4月で100年を超える長い歴史に幕を下ろした。3代目として店を守り続けてきた盡宏さん(73)と、妻の博子さん(72)にこれまでの変遷を聞いた。

 盡鮎商店は、江戸時代に「盖弉亜廖¬声に入って「盡」と屋号を変え、戦後に現在地へと移転した。取り扱う商品は鮮魚や焼きあゆのほか、「香魚」の別名にちなんで宏さんが「多香味(たかみ)鮎」と命名した加工品の甘露煮や昆布巻きなど、延岡を代表する土産や贈答品として喜ばれてきた。

 宏さんは宮崎市出身の元高校教師。先代で義母のワサさんと博子さんが寝る間も惜しみながら仕事する姿を目の当たりにし、結婚翌年の1974年4月に店を引き継いだ。

 当時、アユ漁解禁日になると、今では考えられない数の釣り人や釣り船が川に並んだという。「12月まではそれこそ24時間態勢。アユ漁をなりわいとする人、仕事前の釣りや夜釣りを楽しむ人が多く、釣り場での浜買いや店頭にアユを持ち込む人が早朝から夜中までひっきりなしだった」と懐かしむ。

 アユは「鮮度が命」と宏さん。現在のような冷凍や冷蔵での宅配がない時代に、「いかに新鮮な状態で全国へ発送するか、これに一番苦労した」と振り返る。

 75年から昨年までつづってきたという宏さんの日誌には、毎日の買い入れ量や川の様子、その日の出来事などがびっしりと書き込まれている。当時、6〜12月までの天然アユの買い入れ量は約8トン。ピーク時の83年は10トンを記録した。

 アユを通して縁も広がった。大和ハウス工業創業者の石橋信夫さん、ロッキード事件発覚時に法務大臣を務めた政治家の稲葉修さんなど政財界の著名人とも知り合い、その後、何十年も付き合いが続いた。

 ある年は台風で養殖場のアユが五ケ瀬川に流出。天然と養殖の仕分けに苦労し、1カ月近く休業を強いられたこともあったという。

 状況が変わったのは98年ごろから。年間の買い入れ量が3トンを切る年が続き、2009年以降は1トンを下回る年が当たり前になった。アユの減少は、店にとって死活問題。鮮魚はもちろん、加工品の材料も不足する事態となり、五ケ瀬川以外のアユにも頼らざるを得なくなった。

 しかし、漁が解禁すれば地元や県内外のなじみ客から多くの注文が舞い込む。「今年はアユが少なく、商品が用意できない」「中元には間に合わないかもしれない」そう繰り返し伝える日が続いた。それでも、客からは「取れた時でいいよ」「待ってるからね」と温かい声が寄せられ、「跡継ぎもいないし、いつかは閉めなくてはならない。閉めるなら元気なうちに」と話す機会も多くなっていったという。

 そして迎えた昨年。買い入れ量が100キロ台まで落ち込んだ。「天然アユにこだわってきた店。お客さんの期待に応えることが難しくなり、今がいい時期なのかもしれない」と、在庫がなくなる今年4月の閉店を決断した。

 宏さんは「五ケ瀬川の水は本当にきれいで、この水で育つアユも全国トップクラス」と話し、「天然アユの資源回復は、まだ間に合う。官民一体となって川の保全やアユの保護に取り組んでほしい」と今後の資源保護の取り組みに期待する。

 「アユを通して全国のさまざまな人と巡り合った。これまで支えてくれた皆さんに心から感謝したい。しばらくは、店の片付けをしながらゆっくりします」と宏さん。今年もやがてアユ漁解禁を迎える。「アユの釣果は天気に左右される。天気予報に常に気を配るのが日課だった。この習慣は抜けないでしょうね」と、博子さんとともに笑顔で話した。

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