大きな役割果たす探知犬−江藤農水相

畜産王国――宮崎県を守る・飼養者、管理徹底を

　私たち、宮崎県民は大変な経験をしている。平成２２（２０１０）年７月、われわれは２９万７８０８頭。大切な、大切な家族とも言える家畜を殺処分しました。

　そして、平成３０（２０１８）年、国内で２６年ぶりに豚熱（豚コレラ）が発生し、大変な緊張が走りました。その後、ワクチン接種をして、感染拡大は阻止されています。ですが、ヨーロッパ、アジアで豚熱だけでなく、アフリカ豚熱が発生しています。

　ワクチンそのものが存在しない、入ってしまったら日本の養豚そのものが崩壊しかねないアフリカ豚熱が、この地球上に存在することを忘れてはいけません。

　大臣就任当初は、探知犬はそんなにいませんでした。その後、この事態を受け予算措置をしました。しかし、お金を用意したからといって、すぐに探知犬は増えるわけではありません。訓練がいります。絶対数も限られています。現在は９６頭、年度末には１４０頭まで増やす予定です。

　そしてこの宮崎県は何といっても畜産王国、養豚の飼養頭数でいっても全国第２位という大変な養豚大国です。この宮崎になるべく早く、しかし、あまり自分の地元だからと特別な配慮をすると怒られるので、しっかり配備の様子を見ながら、進めてきました。

　このたび１頭、常駐してくれることになりました。彼が水際で大きな役割を果たしてくれると思います。

　しかし、確実なことは、まず持ち込まない。今、コロナの影響で海外への渡航は制限されているが、いずれ解禁になります。その時に日本に持ち込まない、持ち込ませない。そして、飼養者も飼養衛生管理基準をもう一度、しっかり頭にたたき込んでいただき、日々の飼養の管理をしっかりやっていただくことが、この宮崎の畜産を守っていく基本であると思っています。

　７月には仙台・千歳空港などでこのようなキャンペーンをやらせてもらいました。今回は宮崎でやらせていただき県、ＪＡ、省庁の方々と意見交換、研修をさせていただき、しっかりこの日本、宮崎県の畜産を守っていきたいと思っています。

　われわれは今、コロナ禍の中にあり、皆さま方、大変なご苦労をされています。いずれ海外からの渡航も再び解禁されます。この宮崎にも外国から多くの観光客がお見えになります。その時に備えるためにも、きょうを常日ごろからの水際対策、日々の飼養について、考える契機にしていただければと思っています。