友石さん、おじゃみ手作り３０年

富高小に“最後”の寄贈−日向

　日向市春原町の友石迪子さん（９４）は１８日、運動会の玉入れ競技などに使ってもらおうと、校区内の富高小学校（四角目浩行校長、４７５人）へ手作りおじゃみ１００個をプレゼントした。民生委員児童委員になったことをきっかけに１９８８年から毎年のように贈り続けてきたが、持病の手足のしびれが悪化したことから３０回の節目を迎えた今回を最後と決めた。

　贈呈式は校長室で行われ、児童を代表して６年生の平田結菜さん（１１）と片地ひとはさん（１１）に、友石さんからおじゃみが託された。

　四角目校長は「３０年間ありがとうございました。子どもたちに友石さんの話をして、大切に使わせていただきます」とお礼を述べた。

　友石さんのおじゃみは丁寧な作りで破れることもなく、手にした時の感触も心地よく、児童たちに評判だという。

　平田さんは「おじゃみを毎年届けていただき、昔の遊びの楽しさを思い出させてもらった」。片地さんは「いろいろなきれいな布を使い、印象に残るおじゃみばかりで、とても扱いやすかった」と感謝した。

　新型コロナウイルスの感染予防のため、同校は恒例の秋季大運動会を「スポーツ大会」と名称を変え、１０月１３〜１５の３日間、低学年、中学年、高学年に分けて実施する。初日の１年生の玉入れ競技で、友石さんのおじゃみを使う予定。

　毎年１年がかりで手作りしたおじゃみを贈呈してきた友石さん。「３０年間続けることで長生きさせていただいた。楽しみがなくなるが、良い節目を迎えることができた」と満足そうに話した。