コロナ対策、ポイントを学ぶ

高齢者向け施設研修会、延岡で開催−県主催

　県主催の２０２０年度高齢者向け施設合同研修会が８日、延岡市東浜砂町の延岡総合文化センターで開かれた。児湯地区以北の県が所管する有料老人ホームなどから施設長や管理者ら約１００人が参加して、新型コロナウイルス感染症対策や自然災害対策、施設運営上の留意事項などを学んだ。研修会は、１０年から開催し今回が１１回目。

　研修では、感染看護が専門の県立看護大学の邊木園幸准教授が、高齢者施設における新型コロナの感染症対策について講演した。

　邊木園准教授は「入居者自身が施設外から新型コロナウイルスを持ち込む可能性は低いと学会は言っている。職員らが無自覚のうちに何らかの形で施設内に持ち込む可能性がある」と話し、施設内にウイルスを持ち込ませない工夫や知らないうちに持ち込まれた場合の早期発見、保健所や協力医療機関との連絡態勢の整備など対策のポイントを説明した。

　その上で、手指消毒の励行や定期的な換気、職員らの健康管理、施設内の３密回避など基本的な感染予防策の徹底を強調し、今後に備えて必要な物資の確保や備蓄、感染発生時の勤務態勢や人員の確保などシミュレーションの実施をアドバイスした。

　その他、感染発生時に感染拡大防止のために施設内を区分けするゾーニング、感染者への対応、正しい手指消毒や個人防護具の着脱方法などを具体例を挙げながら解説した。邊木園准教授は「感染対策は、組織全体で取り組んでください。感染対策強化を図りながら、皆さんの力で乗り切りましょう」と呼び掛けた。

　この後も、県の担当職員が運営指導やこれまでの指導監査における指摘事項などを説明し、参加者は熱心に耳を傾けた。

　延岡市恒富町の住宅型有料老人ホーム「紅葉園」の森田潤施設長は「医療機関の指示に従って感染防止に努めている。今回の研修は再確認の場になった。今後も感染防止策を徹底していきたい」と話した。