高橋医師（日之影出身）初のビジネス書

本紙掲載日：2020-11-04

3面

高橋幸宏医師と著書

榊原記念病院の心臓外科医

◆仕事の流儀を初公開

　日之影町出身で日本を代表する心臓血管外科医、ゴッドハンドとして知られる榊原記念病院副院長（東京都）の高橋幸宏医師（６４）が、自身初となるビジネス書「７０００人の子の命を救った心臓外科医が教える仕事の流儀」を致知出版社（同渋谷区）から出版した。著書は手術の現場で大事にしてきた５１の流儀をまとめた。「手術の現場で起こることは、ビジネス現場でも生かせる」と同出版社はＰＲしている。

　同病院の心臓手術数は２０年近くにわたって日本一で高い手術成功率を誇る。その中でも重要な役割を担ってきたのが高橋医師。心臓外科医として７千例以上の執刀経験があり、成功率９８・７％は「驚異的な実績」という。

　著書は５章構成。①手術成功率９８・７％を可能にするもの②自己育成術―若手時代をいかに過ごすか③人材育成術―上司は今どきの若手をいかに育てるか④最強のチームをつくる⑤これからの時代に求められる人間学－。

　自身の経験から、準備やルーティン（決めごと）の重要性、集中力をいかに持続させるか、想定外の事態への対処法、良好なコミュニケーションの核となるものなどをまとめた。

　心臓手術の緊迫した現場は、「質高く、うまく、早く」を徹底するなど、チーム医療の最たるものとされる。その現場から紡ぎ出された知恵とノウハウはチーム力を高め、各自が最高のパフォーマンスを発揮していく指針となり得るという。そのため、著書は管理職必読のバイブル、部下指導や組織運営のヒントにあふれているという。

　今回の出版に当たり高橋医師は「定年間際の外科医の経験を読んでいただくことで、若手と呼ばれる皆さんが、それぞれのスタートラインを少しでも上方に修正することができるとすれば本当にうれしく思います」とメッセージ。

　四六判１７９ページ、１５００円（税別）。最寄りの書店、インターネットショップで購入できる。

■高橋幸宏さん日之影町出身、６４歳。延岡高校１９７４年３月卒業（２６回生）。熊本大学医学部に進み、同大卒業後は熊本赤十字病院で２年間の初期研修。２７歳で榊原記念病院に研修医として採用され、小児の心臓血管外科で研さんを積んだ。年間約３００例もの心臓血管手術を行ってきた。２００３年から心臓血管外科主任部長、０６年に副院長に就任。延岡市地域医療アドバイザーも務める。元ＵＭＫテレビ宮崎のアナウンサー高橋巨典さんは実弟。