「ひなたＷＯＭＡＮ」（５４）デザイナー（門川町）・安治川千尋さん

丁寧な作品心掛け

　今年４月、門川町内の自宅にデザイン事務所「ＫＡＴＡＣＨＩＮＩ（カタチニ）」を立ち上げた。

　「起業や店のＰＲなどを考えている方に、『あなたの思いを形にしてみませんか』のメッセージを込めました」

　店のロゴマークやダンス教室などの生徒募集チラシ、似顔絵付きの名刺などをはじめ、本来なら今年開かれるはずだった国民文化祭日向会場のポスターも手掛けた。

　「依頼主のイメージに少しでも近づける作品を心掛けています。自分が作ったポスターなどを見かけたときはうれしいですね」

　宮崎市佐土原町生まれ。小さい頃から絵が好きで、家のブロック塀はアニメキャラクターであふれた。宮崎日大高でデザインを学んだが、進学先は同じく興味があった英語を学ぶため南九州短大へ。

　転機は、富島高の常勤講師時代の２０１８年。１０月に生まれた娘の育休中、諦めていたはずのデザイナーへの思いを断ち切れないでいる自分に気付いた。

　「高校で文化祭のパンフレットなどを担当し、ほかにも頼まれ事が多くなったこともあり、チャレンジを決めました」

　背中を押してくれたのが、働くママさんらを支援するため日向市が開設の「しごと創生拠点」。手厚いサポートを受けて起業した。

　「英語の非常勤講師も続けているんですが、週末は小学校教員の夫が子どもを見てくれて助かっています」

　息抜きは家族旅行。早く気兼ねなく行き来できる日が来ることを願う。映画も好き。

　「教師としてがっつり働くか迷いましたが、今やらなければ後で後悔すると思って決断しました。新しい出会いがあって、今は充実の毎日です」