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記者の道くさ−コーヒー1杯3時間、推奨店です

本紙掲載日:2020-12-14
2面

 「当店はコーヒー1杯3時間推奨店です」。ぬくもりのある手書きのメニューボード=写真=で来店者を迎えるのは、延岡市の延岡総合文化センター内にあるカフェ「蒼空〜SORA〜」。「えっ3時間もいいの?」と思わず足が止まった。

 書いたのは同カフェのマネジャー黒木和磨さん(39)。コロナ禍に突入した今年春、同センターで予定されていた行事が相次いで中止や延期となり、閑散とした日々を過ごす中で書かれたのが、このメッセージだった。

 同カフェは知的障害者の社会参加と就労を目的に2013年、社会福祉法人愛育福祉会の障害者支援施設「清松園やわらぎの里」(同市大武町)の就労継続支援B型事業出張所としてオープン。その特性もあり、「ゆっくり過ごしてもらいたい」とのスタンスは今も変わらない。

 休業や短縮営業を経て9月から通常営業を再開した。「お店に人がいてくれるだけでうれしいじゃないですか」と黒木さん。「コーヒー1杯3時間――」のメッセージについては「半分は遊び心です」と笑う。ただ、実際にコーヒー1杯で2時間過ごして帰るもいるらしく、その居心地の良さがうかがえる。

 さらにゆっくり過ごしてもらうため、「今後は私設図書館にも取り組みたい」。以前から「文化センターにも図書館があれば」と考えていたそうで、「まずはカフェでできないか」構想中だ。

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