「ひなたＷＯＭＡＮ」（５７）みらいデンタルクリニック（延岡市）・木村里美さん

食べる幸せを支援

　訪問歯科診療に力を入れるクリニックの歯科衛生士兼事務長。有料老人ホームなどを定期的に回り、入所者への口のケア、飲み込む力をつける体操指導、介護者への食事指導などにも当たる。

「『食べる幸せを支援する』をモットーに、

　高齢者の方々に『また来てほしい』と思っていただけるような診療を心掛けています」

　口腔（こうくう）機能のマネジメントを、０歳期から生涯にわたって行う「口育士」として、口呼吸や歯並びの改善などに取り組む。

　「空気中の細菌が直接体内に入る口呼吸は、歯周病や風邪などにかかりやすく、また、舌が上顎に付かない状態ではかみ合わせも悪くなります。舌を中心とした口腔周囲筋のトレーニングなどを通じて鼻呼吸の促進、顎の矮小（わいしょう）化防止などに努め、正常で健康な心身の発達を目指します」

　熊本生まれ。高校時代に歯科衛生士の存在を知り、専門学校を出て国家資格を取得。地元病院勤務中に知り合った延岡出身の現クリニック院長が、訪問歯科診療を始めるために郷里に帰ることになり、「手伝ってほしい」と請われ、一大決心した。

　「子ども２人とともにやって来て１１年目。人生の大先輩に寄り添う中で元気になられ、家族も喜んでいただけるときが一番うれしいですね」
息抜きは友人との飲食。最近、４００ＣＣの中古バイクを買ったばかり。２０代の頃のように遠出をするのが楽しみという。

　「例えば、カフェやフィットネスなどを兼ね備えたクリニックがあればと思います。体を鍛え、口の中をきれいにし、おいしい物を食べて帰っていく。チャンスがあれば挑戦してみたいですね」