今、努力する人にチャンスが

松田丈志さんがオンライン授業−五ケ瀬町

◆５小中学校の２００人を激励

　競泳の五輪メダリストで、延岡市出身の松田丈志さん（３６）は１６日、五ケ瀬町の小中学生を対象にオンライン授業を行い、５小中学校の約２００人に夢や目標を持ち、一生懸命に取り組むことの大切さを伝えた。

　授業は、コロナ禍で学校や地域の行事が減っている中でも頑張っている子どもらに夢を持って学校生活を送ってもらおうと同町の教職員らが同町の協力を得て企画。松田さんと４小学校、１中学校をオンラインで結んで行った。

　松田さんは４歳で水泳を始めてから五輪でメダルを獲得するまでの道のりや小中学校などで迎えた転機などを紹介した。

　中学３年生の時には水泳をやめたいと思った時もあったが、母親の言葉で「今やめたら１０、２０年後に後悔しそうだな」と将来の自分から今の自分のことを見詰め、考えて、水泳を続けることを決めたなどと話した。

　また、「コロナで大変な世の中になった。でも今、努力できる人、今、頑張れる人が自分自身の目標に向かってチャンスを手にすることができる。自分自身の目標に向かって頑張っていってほしい」とエールを送った。

　児童生徒は松田さんに向かって手を振ったり身を乗り出すようにして話を聞くなど楽しんでいた。

　質問タイムでもたくさんの手が挙がり、「緊張して硬くなる」という生徒には「自分以外のことを意識せず、自分との勝負だと思って頑張って」と助言。

　「水泳しながら勉強はどうしていたか」の質問には「家では勉強したくなかったのでできるだけ学校で終わらせるように意識していた」などと答えていた。

　三ケ所小学校６年の西村光登さん（１２）は「１０年後の自分のことを考えているのがすごいと思った。自分もプロ野球選手になりたいので目標を持ってしっかり練習を頑張りたい」と話した。

　松田さんは４歳で地元の東海スイミングクラブに入り、久世由美子コーチの指導を受けながら頭角を現す。２００４年から４大会連続で五輪水泳競技に出場し計４個のメダルを獲得した。

　２０１６年に引退。現在、スポーツの普及活動やスポーツジャーナリストとして活躍している。