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ADHDテーマにトークイベント

本紙掲載日:2021-04-19
3面
オンラインでつないで「働きづらさ」について考えた

みんなに知ってほしい

◆働きづらさ、生きづらさ

 厚生労働省が定めた発達障害啓発週間に合わせて全国各地でライトアップや啓発活動が行われた。延岡市でも発達障害の一つADHD(注意欠陥・多動性障害)をテーマに駅前複合施設エンクロスでこのほど、トークイベントが行われた。

 イベントは、今までの生きづらさをコミックエッセイにまとめた「ぴーちゃんは人間じゃない?ADHDでうつのわたし、働きづらいけどなんとかやってます」(イースト・プレス発行)が1月8日に刊行されたのを記念して開催。

 ブロガーとして人気の高い原田伊久美さん=延岡市在住=が「働きづらさ、生きづらさをみんなに知ってもらうことで解決につながるのではないか」と企画した。著者のぴーちゃんさん、多様性を発信するメディア、パレットーク編集長の合田文さんをオンラインでつなぎ、原田さんの進行で「働きづらさ」について考えた。

 冒頭、自身がADHDの当事者であること、東京などで発達障害に関するイベントを仲間たちと何度か開いてきたことを紹介した原田さん。「自分の娘が発達障害。発達障害で大変なことはあるけど、周りの環境が整えば暮らしていけないことはない。娘の環境を良くしたい。娘がいる延岡でしなければいけないと感じた」とイベントを開催した理由を説明した。

 ぴーちゃんさんは現在、パレットークのウェブデザイナーとして働く。面接の際、合田さんにADHDであることを打ち明けたという。その時に返ってきた言葉は「話してくれてありがとう」だった。

 それまではアルバイトなどでミスを繰り返していた。「メンタルしか減るものはないという感じだった。でも打ち明けたことで、ミスしたら次はどうすればいいかを考えられるようになって、自分が働きやすくなった」「(以前の仕事は)できるかできないかで工夫のしようがなかった。今はどうやったら目標を達成できるかを考えることができるようになった」と話した。一方の合田さんは「特性は誰にでもある。経営者はどんな人でも成果が出せるようにすることが大事だと思っている」と説明した。

◆上の世代に働き掛けたい

 また、ぴーちゃんさんの「働きづらさ」に気付いた合田さんは、職場の人たちの前でプレゼンテーションすることを提案。「やりたいです」と一晩でプレゼン資料を用意し、発表したエピソードにも触れた。「興味ないとか、障害を持っている人と一緒に働きたくないって思われるのじゃないかとか心配していたが、ちゃんと聞いてくれて『発表してくれてありがとう』と言っていただけた。受け入れてもらえた感じがして、ますます働きやすくなった」と当時を振り返った。

 イベントでは、自分自身のことを知ろうと、自分と向き合い、苦手なこと、得意なことを考える時間も設けられた。

 最後にぴーちゃんさんは「私はまだ20代前半。これから私たちの世代が働きやすさとか多様性とか考え方とかを上の世代に働き掛けたりしていきたいなと思っている。その第一歩としてもこういうイベントはありがたい機会でうれしい」、合田さんは「当事者という枠ではなく呼んでいただけることがすごくうれしい。当事者だけが考えるのではなく、周りがどういうふうにしていけばもっといろいろな人が活躍しやすいかを考えることが大切。特性にかかわらず、気持ちや思想が集まって話す機会はとても貴重だと思った」と話した。

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