「サステナビリティと企業」徳永さん（旭化成）

ニーズに精通することが重要

◆延高１年生に講演

　文科省のスーパーサイエンスハイスクール（ＳＳＨ）に指定されている県立延岡高校（川越勇二校長、７２１人）は２４日、旭化成サステナビリティ推進部の徳永達彦部長を講師に、ＳＤＧｓ（持続可能な開発目標）に関するオンライン講演会を行った。テーマは「サステナビリティ（持続可能性）と企業」。

　メディカルサイエンス（ＭＳ）科の１年生７９人が聴講した。

　ＳＳＨは、先進的な理数系教育・体験や課題解決を重視した学習を支援する事業で、同校は昨年度指定された。科学技術を用いて、さまざまな社会課題の解決に取り組める人材を育てることが目標。今回の講演会は、１年生が今後３年間、同学習に取り組むための動機付けとして企画した。

　講師の徳永さんは、ＳＤＧｓで示されている環境問題の解決を目指す企業活動が、経済活動と環境の共生、持続可能な社会の実現につながる−と説明。例として、旭化成グループが汚染水を殺菌するＬＥＤを開発したことを紹介し、「他の人よりも世間のニーズ（需要）にどれだけ精通しているかが、成功への必要条件」と、卓越性を磨くことを強調した。

　「卓越性を磨くにはどうすれば良いか」という生徒の質問については、「自分の適性を見極めることは簡単ではない」と前置きしながらも、「先入観を持たず、いろいろな角度から物事を追求することが大切。自分が第一人者になる気持ちで、今後の学校生活を送ってほしい」と呼び掛けた。

　聴講した友井裕子さんは、「持続可能な社会の実現のため、身近にある問題から少しずつ考えていくことが必要だと思った」と話した。久寿米木（くすめぎ）来未さんは、「旭化成の事業を知ることができて、ためになった。物事を多面的に捉え、考えられる人材になりたい」と刺激を受けていた。