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ケア生活に光明−サービスの拡充に期待

本紙掲載日:2021-06-04
3面
ケアの方法を確認する看護師
娘を託した小百合さん。「1日ケアをしない日は約8年ぶり」

延岡共立病院ショートステイ

 心も体も犠牲にしてきたケア生活に光明が差した。延岡共立病院にショートステイが開設され、県北で暮らす医療的ケアが必要な重度心身障害児者の家族、特に母親たちは「やっと近くにできた」などと喜んでいる。現在は定員1人で1泊までだが、今後は「人数も日数も増やしてくれたら」などと、サービスの拡充を期待している。

 「YouaremySOUL!SOUL!いつもすぐそばにある―」。5月22日、延岡共立病院にあるICU(集中治療室)の陰圧室に、安藤乃亜さん(24)が大好きなアイドルグループ「嵐」の曲が流れていた。

 テンポの良いメロディーが響く中、「お母さん、ベッドの硬さはこれくらいで大丈夫?」「部屋は寒くない?」。看護師らが母親の小百合さん(50)にケアに関するさまざまなことを入念に質問し、最終確認を行っていた。

 小百合さんは、栄養を注入する際の体の向きや体位変換の頻度、吸引時の注意点などを伝え「よろしくお願いします」。娘を託し、同院を後にした。一日ケアをしない日は「約8年ぶり」と言う。

 乃亜さんは、生後約5カ月でてんかんを頻繁に起こす難病を発症し、大分大付属病院に入院。経管栄養や胃ろうなどの医療的ケアが必要になった。就学前までは体調が安定せず、年に5回の入退院を繰り返した。

 小百合さんは毎回、入院に付き添った。自宅ではケアに励んだ。娘が気管切開の手術を受けるまでは、多い時で5〜10分に1回、一日中たんを吸引した。預けられる場所はなく、仕事は辞めた。

 十分な睡眠時間を確保することができず、うつになった。死を選ぼうとしたこともある。だが、「元気に産んであげられなくてごめんね」と自責の念を抱きながら、ケアを続けた。愛情も注いだ。

 延岡市から一番近いショートステイは、川南町の国立病院機構宮崎病院。入所を見据えて通った時期はあったが、「遠くて気軽に行けなかった」。医療機器や生活用品などを準備する負担も、重くのしかかった。

 定期的にたんの吸引をしなければ命に関わるため、パーキングが少ない東九州自動車道は使えなかった。それでもコンビニなどに寄りながら年に1回は通ったが、運転の負担も加わり「約8年前に行くのを諦めた」。

 35歳の頃、ケアの疲労がたまり腰を痛めた。外出先にユニバーサルシートを備えた多目的トイレが少なく、腰をかがめながら車中でわが子のオムツを替えていたことも影響した。だが、治療に通う時間はなかった。市販の痛み止めやコルセットでしのいできた。

 2017年、休息と社会参加の機会を与えてくれるショートステイの重要性を訴えようと、重度心身障害児者の母親8人で「ひつじの会」を結成。会員や市職員との意見交換会などを開き、現実への道を模索してきた。

 羊が1匹、羊が2匹…。「親子でぐっすり眠れますように」。会名には、そんな願いを込めた。今回利用し「短時間睡眠が癖になっているので長くは寝られなかったが、ケアに追われることなく、ゆっくりとした時間を過ごせた」と満足している。

 ただ、将来への不安が消えたわけではない。「自分が病気になったり事故に遭ったりしたら、体力的な限界が訪れたら、誰がこの子を見てくれるんだろう」と心配は尽きない。同市を離れることも考えている。

 それでも、延岡共立病院には「感謝している」と心を込める。今後は「重度心身障害児者以外にも、医療的ケアが必要な人を複数受け入れてくれると、もっとたくさんの親子が助かると思う」。サービスの拡充を期待している。

 ショートステイは、今後も利用する予定。「コロナが収まったら、友だちと食事や旅行に行きたい。腰の治療にも行きたい」。24年間我慢し続けたことを、少しずつやっていくつもりだ。

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