和にアレンジ、掛け軸も

みよこさん、ギャラリーかわなかで個展−延岡

　延岡市在住のイラストレーター・みよこみよこさんの個展「こころのたね」が４日、同市伊達町のギャラリーかわなかで始まった。生き物や人物などを色彩豊かに描いたジクレ作品約６０点が展示されており、鑑賞客に癒やしの時間を与えている。入場無料。１３日まで。開場は午前１０時〜午後８時。

　みよこさんは名古屋市出身。早稲田大を卒業後、東京都・神楽坂のお土産「ぽち袋」などのデザインを手掛け、フリーのイラストレーターとして活躍。夫の転勤で２００８年に延岡市に移住してからは、延岡花物語などのポスターも制作している。

　ジクレは版画技法の一つ。パソコンで描いた絵を、高性能のプリンターで印刷して出来上がる。同ギャラリーの川中啓二代表によると「近年はこの技法が主流。従来の版画に比べ、作者のイメージに近い色を表現できるのが特徴」という。

　会場には、ポストカードやぽち袋、立体作品などの他、鮮やかな色が濃淡豊かに使い分けられた絵画が並ぶ。

　虹の滝の前にたたずむシカなどを描いた新作の掛け軸３点も展示。「どうすれば自身の作品を違和感なく、日本の伝統的な作風にアレンジできるか」を川中代表と共に試行錯誤しながら、約２年かけて仕上げたという。巻けるよう紙の厚さにもこだわった。

　個展名には「見てくださった人の心にいろんな思いの種が根付き、それがいつか花を咲かせますようにという思いを込めた」とみよこさん。「分散して来場できるよう、午後８時まで開館している。見てもらえるとうれしい」と話していた。