マスク着けたくても着けられない

延岡市が呼び掛け−病気などが理由、誤解しないで理解を

　延岡市は、発達障害や感覚過敏、皮膚や呼吸器の病気など、さまざまな原因からマスクを着けたくても着けられない人がいるとして、理解を呼び掛けている。先月２４日には、同市のホームページに「マスクを着けられない方へのご理解をお願いします」と題したメッセージを掲載した。

　掲載文には、マスクを着けたくても着けられない人について、「周囲からはわがままと誤解されたり、厳しい視線を向けられたり、心ない批判を受けることもある」「マスクを着けられないため、外出を控える人もいる」として、「社会全体の理解が必要」と訴えた。

　その上で、マスクを着用していない人を見た場合、まずは「何か事情があるかもしれない」と想像すること、障害や症状があってマスクが着けられない人がいることを知り、その特性や事情を理解することをお願いし、「お互いに思いやりの心を持って過ごしましょう」と呼び掛けている。

◆熱中症対応を優先市教委が通知

　熱中症が心配される時期に近づく中、同市教育委員会も、「マスク着用指導」に関する通知を、市立小中学校長宛てに出した。

　文部科学省の「学校の新しい生活様式」によると、「身体的距離が十分とれないときはマスクを着用する」ことが基本だが、「熱中症も命に関わる危険があることを踏まえ、熱中症への対応を優先」とある。そのような記述も踏まえ市教委は、気温、湿度等の環境や児童生徒一人一人の実態に応じた指導が行われるよう、配慮を呼び掛けた。

　また、「マスクを着けられない人への配慮」についても、職員全員が周知した上で指導を行うことや、保護者等への啓発についてもお願いした。

　通知を受け、市内の公立学校の中には、登下校の際、天候や温度、湿度、体調等を考えた上で、各家庭でマスクを着用するかどうかについて声掛けをしてほしいこと、体育の授業時間は、運動前や話し合いの時はマスクを着用するが、基本的にマスクは外すことなど、場面ごとに細かく記した文書等を、児童生徒や保護者宛てに配布したところもあるという。