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ココカラSDGs−第3回「エシカル消費×SDGs」(下)

本紙掲載日:2021-06-24
6面

▽思いはお金に代えられない−松田さん
▽身の丈に合った生活を送るために−長嶺さん
▽そのものの向こう側を知る−難波さん

−−城山ふとん店では最近、思いもしなかった修理依頼が増えているそうですね。

〈松田〉最近増えているのが、毛布のへりの修理依頼です。毎週、全国各地から20枚ほど毛布が届き、これまで約800枚の修理を手掛けてきました。毛布は、中央の生地は長持ちするのですが、どうしてもへりがほつれたり、劣化したりしてきてしまいます。
実際、修理にかかる料金は買い替えと変わらない金額なのですが、あるお客さまから「就職して初めて自分のお給料で買った毛布で、長年愛用しているので手放したくない」と、思いをお聞きする機会がありました。そういう人の思いはお金に代えられないことを知りましたし、そういうふうに寝具を再生して使っていただけることは、布団店としてはありがたいなと思った出来事でした。
弊社には綿の打ち直しから布団の製造、クリーニング(消毒殺菌)まで一貫した技術があります。熟練の職人もいます。あちこちの店に相談したものの「修理して使い続けたい」という思いが受け取ってもらえず、買い替えを勧められた人たちの駆け込み寺になっているようです。

〈難波〉そんな布団店が地域にあるということは大きな強みですよね。依頼が増えてきているのは、修理して大切に使い続けたいという思いを持った人が増えてきていること、そして、修理してもらった毛布が期待以上の仕上がりだからではないでしょうか。

−−マルイチでは他に、どのようなエシカル消費に取り組んでいるのですか。

〈長嶺〉他社と違う取り組みとして、食品ロスを減らすため、少量パックの商品を提供しています。例えばキャベツは通常1玉ずつ販売しますが、そこに2分の1サイズ、さらに4分の1サイズに切り分けたものを並べて販売しています。無理して買っていただき、無理して料理を作っていただいて、それが余ってごみになってしまうともったいないですよね。
お客さまが本当に必要としている量はどれくらいなのか。お客さまが「使い勝手が良い」と感じてくれる量が、お客さまにとってベストな量なのです。つまり、一人一人が身の丈に合った生活を送るために、スーパーマーケットとしてどう貢献していけるか考えています。
スーパーマーケットは生活に直結している場所です。だからこそ、私たちには社会的使命があると感じています。このコロナ禍では、影響を受けている日向市内の飲食店に無料で店の一画を提供し、弁当などを販売してもらっています。また、災害時などのライフラインとしての役割もあります。お客さまに便利に使ってもらうというよりも、なくてはならない存在であり続けたいと感じています。

〈難波〉「身の丈に合った生活」という長嶺さんの言葉が刺さりますね。SDGsの12番目の目標に「つくる責任つかう責任」があります。私は、その「つくる責任」と「つかう責任」の間に、実は「売る責任」があるのではと思っています。売る側の意識を変えることで、作る側と使う側の意識も変えることができます。マルイチの取り組みが、その鍵を握っていると感じます。
例えば洗剤や食品に使われているパーム油。とても安価なので、当然私たち消費者は買い求めます。すると、生産地のインドネシアやマレーシアでは森林が伐採され、大型農園が造られます。森林が伐採されることで環境が破壊され、1日25頭のオランウータンが死んでいると言われています。また現地の労働者の人権侵害なども指摘されています。つまり私たち消費者は気付かないうちに、これらの問題に加担している可能性があるということです。私たちは、そのものの向こう側を知る必要があります。
適正な価格で継続的に取引された発展途上国の原料や製品を使った「フェアトレード商品」が今、増えてきています。私たちは、自分で選んで買うことができるのです。

−−社会や未来を良くするために、個人として、どのように行動したいと思っていますか。

〈松田〉9歳の息子に「SDGsって知ってる?」と尋ねたら、「学校で習った。17個のゴールだよ」と答えてくれました。子どもの頃からSDGsに触れる機会があることは、親としてありがたいと思っています。
私は、さまざまな学校で講師として話す機会があるのですが「延岡に住んでいるからできない」のではなく、オンラインでグローバルな時代になったからこそ、どことでもつながって自分の未来が開ける、ということを子どもたちに伝えています。
また、自分が生きている地域で、その地域の商店で消費することも大事なエシカル消費です。私は母が毎日マルイチに買い物に行く姿を見ています。先ほどもお話ししましたが、母は「マルイチのような布団店になりたい。楽しく布団店に行く環境ができれば、城山ふとん店も変わっていくのかな」と話しています。

〈長嶺〉正直なところ、エシカル消費についてあまり詳しくありませんでした。今回の出演をきっかけにインターネットで調べて学びました。自分には何ができるのか、まずは身構えないことだと思いました。普段何気なく過ごす中で、地域や食べ物などに関わる場面はたくさんあります。例えば、目の前にある商品が出来上がるまでにどのような人が関わってきたのか、どこでできているのかなど意識していけたらと思っています。
私たちはお客さまに喜んでもらいたい、健康であってほしいという思いでオーガニック野菜の販売を始めました。しかし、まだまだこれからだと思っています。私たちが主動で取り組むのではなく、お客さまとの関わりを通じて、もっともっと広げていきたいと思っています。
マルイチには話が大好きな従業員がたくさんいます。「これがおいしかったよ」「こういう商品があったらいいと思う」など、ぜひ気軽に声を掛けてください。それが、お客さまへの貢献につながります。お客さまの生活を守っていくためにも頑張っていきたいです。

〈難波〉まさに17番「パートナーシップで目標を達成しよう」に当てはまると思います。豊かな未来という目標は皆さん共通していると思います。みんなで思いを共有して助け合うことで、さらに、ありたい未来に近づいていけるのではないでしょうか。
私たち日本人は独特な発想を持っています。例えば「お互いさま」「おかげさま」「もったいない」は誰もが知っている言葉です。私たちの手元に届くものは、すべて誰かの「おかげさま」で作られている。周囲の人と助け合うことは「お互いさま」だから。食べ物や身の回りのものを粗末にしたら「もったいない」から。すでに生活の中で心構えとして持っているのです。
近江商人の三方よし「売り手よし、買い手よし、世間よし」という言葉は有名です。エシカル消費には、これに加えて「作り手よし、地球よし、未来よし」の〃六方よし〃があります。そのために、私たち買い手が考えていくことが大事です。私は、SDGsは命の責任だと思っています。未来の命を守るため、自分の生活一つ一つを良い方向へ選択していきましょう。

【第3回の出演者】
〈ゲスト〉城山ふとん店(延岡市)の店舗責任者・松田陽子さん、マルイチ(本社・日向市)の青果・雑貨バイヤー長嶺裕二さん
〈アドバイザー〉SDGsコミュニケーター難波裕扶子さん(日向市)
〈ナビゲーター〉松田祐子さん(FMのべおか)

■第3回の再放送■
24日午後8時、27日午前11時からの2回
(おわり)

■第4回の内容■
〈テーマ〉海×SDGs
〈ゲスト〉延岡マリンサービス(延岡市)の店長・高橋勝栄さん、
グローバル・クリーン(日向市)の専務・税田倫子さん
〈放送日〉7月15日午後1時から生放送
〈再放送〉7月22日午後8時から、同25日午前11時からの2回


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