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横綱初挑戦−実家のちゃんこ松恵

本紙掲載日:2021-07-12
3面

父「琴恵光らしい相撲」母は目頭熱く−後援会、称賛

 角界入りして15年目。琴恵光は11日、初めて横綱との対戦した。その取組前、延岡市山下町にある琴恵光の実家「ちゃんこ松恵」では、両親や後援会関係者が緊張した面持ちでテレビ放映を待った。

 名古屋場所中日での結びの一番。琴恵光と白鵬の名前がテレビ画面に浮かび、両力士の様子が映し出されると、父正倫さんは落ち着くためか心臓の辺りに手を当て、母多美さんは目頭を熱くして見守った。

 店内で声援を送るつもりだった後援会も、息をすることも忘れたような静けさで軍配が返る瞬間を見つめた。

 白鵬の張り差しをこらえて、正面から懐に入った琴恵光だったが、横綱の圧力に寄り切られた。わずか10秒足らずの勝負。敗れはしたが、大横綱を相手に真正面から向かっていった姿に店内は称賛の声が相次いだ。

 後援会事務局長の岩切隆徳さんは「真正面から堂々と挑んだ。立派です。これも勉強になったはず」

 取組が決まった時から、喜びと心配が交錯し続けていたという多美さん。「こんな日が来るとは思ってもいなかったので、この姿を目に焼き付ける気持ちで見ていました。立派な相撲だったと思います。『よくここまで来たね』と褒めてあげたい」と目を潤ませた。

 正倫さんも「真っ向勝負で横綱の当たりを受けた。琴恵光らしい相撲を取ったという点は褒めてやりたい」とねぎらい、「結びで取るというのは特別なこと。いろんな方に見ていただいたと思うので、本人もやる気が出るはず。どこまで自分の相撲が通用するか、良い経験になった場所。残りの取組で良い相撲を取ってくれれば」と期待を込めた。

 NHK総合テレビから琴恵光自身のコメントが伝わると、詰めかけた人たちからは歓声が上がっていた。

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