仲間を信頼して、楽しむ－延岡高校かるた部

本紙掲載日：2021-07-21

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県大会で初優勝を飾り、全国大会に出場する延岡高校かるた部

稽古に励むかるた部の部員

全国大会へ意気込み（２３日から滋賀県）

　県立延岡高校（川越勇二校長）のかるた部（猪原空野部長、壹岐菜都美・森淳子顧問、２８人）が、６月７、８日にあった「第３７回宮崎県高等学校小倉百人一首かるた選手権大会」で初優勝を果たした。今月２３日から始まる通称「かるたの甲子園」、滋賀県の近江神宮などで開かれる全国大会に出場予定で「延高の明るく元気な雰囲気を出して楽しみたい」と意気込んでいる。

◆県で念願の初優勝

　宮崎市のひなた武道館であった県大会には、１６校２８チームが出場。延岡は予選リーグ３試合を全勝、決勝トーナメント進出校決定戦や決勝トーナメントも順調に勝ち進み、決勝で強豪・宮崎学園を３―２で破った。

　学校単位の団体戦で全国大会を目指すことのできる唯一の大会。これまで宮崎県には２校出場枠があり、準優勝校として５回出場したが、今年はコロナ対策で１県１校と決まっていた。

　団体戦は８人エントリーし、５人で戦う。壹岐顧問によると、「ここぞ」という時に互いに声を掛け合って士気を高め、助け合うことが団体戦の特徴で、魅力でもあるという。

　しかし、〃かるた界〃も例外なくコロナ禍が直撃。飛沫（ひまつ）感染防止のため声掛けが禁止となり、一組ごとの試合スペースも３畳から６畳に広がった。声も出せない、隣との距離も遠い。「無言で、どうすれば〃チーム感〃を出せるかを子どもたちは考えていた」と壹岐顧問。目の合わせ方などを工夫した練習を早くから取り入れ、笑顔で顔を見合わせることを決めた。

　当日は「仲間の笑顔で緊張がほぐれた。先輩たちから代々引き継がれてきた仲の良さから出る雰囲気が、いい結果につながった」と猪原部長（１８）。

　決勝トーナメントは、出場校１枠をめぐって接戦となった。チームの主将を務めた馬﨑清香さん（１８）は「誰よりも勝たなきゃいけないというプレッシャー」から、予選リーグでは精彩を欠いたが、「『一人で取らなくていいんだよ』と仲間たちが自らの〃取り〃で示してくれた。無理に勝とうとせず、まずは楽しもうと思えた」。気持ちが変わると調子は戻り、決勝トーナメントでは自分らしい取りに集中できた。

　昨年はコロナ禍で数々の大会が中止され、先輩たちの悔しさを間近で見た。先輩たちが引退したその日に「絶対に頑張って全国大会に行く」と誓ったという馬﨑さん。「信じられないけど、有言実行できて良かった。みんなを信頼し、どのチームより楽しむことができた。仲間に恵まれた」と笑顔。

　全国大会団体戦には、３年生６人、２年生２人の計８人がエントリー。また、自由参加の個人戦にも８人とは別に３年生２人の計１０人が出場予定。「周りの雰囲気にのまれず、延高らしさを発揮したい」と話す。