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角膜移植の権威、篠崎さん講演

本紙掲載日:2021-07-27
2面
延岡高校で行われたスーパーサイエンスハイスクール事業講演会
講師を務めた篠崎尚史さん

延岡高生へ「研究する人生」語る

 角膜移植の国際的権威である篠崎尚史氏(65)の講演会は19日、延岡市の県立延岡高校(川越勇二校長、721人)であり、1、2年生478人が研究活動の意義や面白さについて学んだ。同校が選定を受けている文部科学省スーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業の一環。

 篠崎さんは日本両棲(りょうせい)類研究所所長、国立長寿医療研究センター理事長特任補佐、世界保健機関(WHO)移植課アドバイザーなど多方面の要職で活躍している。

 この日は、自身の経験を基に「研究する人生」と題して講演。ステムセル(幹細胞)を使った治療による視力回復のほか、手足や心臓、脳まで再生可能というアカハライモリの研究成果が小児まひ患者の回復に生かされている事例などを挙げながら、両生類の再生能力研究が人間の再生医療につながっていることを紹介した。

 篠崎さんは、SSH事業に取り組む同校に対し、「生徒が一つのものを異なった角度から見ることができるようになる教育や環境づくり」を求めたほか、さまざまな課題研究に当たる生徒たちに向け、「サイエンティストとは、自分と違う意見を宝物として扱える人」「チャンクダウン(課題の細分化)と、分けた課題の解決に当たるネットワークの構築・活用を」と呼び掛け。最後に「皆さんに限界をつくれるのは皆さん自身だけ」と力強いエールを送った。

 講演会は熱中症と新型コロナ感染対策のため、校内に主会場と分会場を設け、ウェブ会議システムを活用して実施。主会場で聴講した金澤妃奈乃さん(2年)は「〃異なる視点〃を心掛け、(SSH事業の)研究に生かしていければ」と話した。

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