小学校、危険な通学路３１３カ所

県教委、関係機関と合同点検

◆うち１１０カ所は対策済み

　県教育委員会は３日、関係機関と合同で実施した県内小学校の通学路安全点検の結果、学校や教育委員会が対策を実施すべき危険箇所が３１３カ所（暫定値）あり、このうち１１０カ所が対策済みであると示した。県議会１１月定例会で安田厚生議員（自民、東臼杵郡区）の質問に黒木淳一郎教育長が答えた。

　通学路の合同点検は市町村教育委員会や道路管理者、地元警察署が連携して実施している。安田議員は、今年６月に千葉県内で下校中の小学生５人がトラックにはねられ死傷した事故を挙げ、点検の概要や安全対策の実施状況などを聞いた。

　黒木教育長は、千葉県の事故を受け、今年度から新たに見通しの良い道路など車の速度が上がりやすい箇所や大型車の進入の多い箇所などを観点に加えたとし、「学校や教育委員会が対策を実施すべき箇所は３１３カ所で、このうち１１０カ所が対策済みとなっている」と説明した。

　また、すでに実施済みの具体的な対策については、「それぞれの箇所に応じた安全教育の実施やボランティアなどによる見守り活動のほか、通学路の変更を行うなどの取り組みが進められている」などと述べた。

　このほか、合同点検を実施した道路管理者の立場で西田員敏県土整備部長は、県管理道路で対策が必要とされた箇所は１７６カ所（暫定値）で、歩道の設置や拡幅、歩道と車道の境界の防護柵の設置、区画線の引き直しなど７７カ所で整備していると説明。

　「通学路の安全対策は重要な課題。まずは着手している箇所の早期完成に努めるとともに、今回の点検で確認した新たな対応が必要な箇所についても順次整備を進めたい」などと述べた。

　佐藤隆司県警察本部長は、対策が必要な１９５カ所を把握し、信号機や横断歩道の設置、規制の見直し、一時停止線の補修など８１カ所で対策に取り組んでいるとし、「引き続き教育委員会や道路管理者と連携し、可能なものから速やかに実施したい」と答弁した。