「誘われても断る勇気を」−自分の身を守るために

旭中で薬物乱用防止教室

　延岡市の旭中学校（池野宗宏校長、２２３人）は８日、延岡保健所の満留美和子技師を講師に招き、薬物乱用防止教室を開いた。全校生徒が受講し、薬物が健康や社会に与える影響などについて理解を深めた。

　たばこを含めた薬物が生徒にも及ぶ危険性が増す中、その現状を知ることで自分の身を守るスキルを身に付けるのが狙い。満留さんは、薬物は一度であっても乱用に当たり、一度手を付けてしまうとやめられず、人に迷惑を掛け、自分自身の人生も崩壊することなどを説明した。

　また、より身近なたばこについて、その煙には約５３００種類の化学物質、２００種類以上の有害物質、６０種類以上の発がん性物質が含まれていることを解説。明治時代の１９００年から、未成年がたばこを吸ってはいけないことが法律で定められていることを紹介した。酒についても脳や肝臓に影響を及ぼし、早く始めれば始めるほど依存症になりやすいことなど、データを示しながら分かりやすく説明した。

　その上で、「誘われても体に影響があることを考え、きっぱりと断ることが大事。断るのは勇気がいるが、一生を駄目にするよりかはいいのではないか」と強調。「困った時は一人で抱え込むのではなく、信頼できる大人に相談して。大切な自分を守れるのは自分だけ」と呼び掛けた。

　全校保体委員長の宮崎太滉さん（２年）は「薬物乱用はアルコールよりもはるかに依存性が高いことに驚いた。薬物、お酒、たばこに誘われてもきっぱりと断ることを忘れずに生活していきたい」とお礼の言葉を述べた。