コロナ禍でバイト収入減－学生を支援

本紙掲載日：2021-12-27

3面

子どもネットワークのべおかによる学生生活応援イベント。サンタの帽子をかぶったスタッフが優しく出迎えた

５０セット限定で配られた内容

食料品など無料配布－子どもネットワークのべおか

◆「たくさん頂けて感謝」

　コロナ禍でアルバイトの収入が減少するなど、生活に困窮する学生を支援しようと、子どもネットワークのべおか（堀之内健吾理事長）は２５日、延岡市西階町の南方東コミュニティセンターで「学生生活応援イベント」を開いた。食料品や日用品の詰め合わせ５０セットが無料配布され、両手いっぱいに持ち帰る学生をスタッフは「頑張ってね」などと声を掛けながら送り出した。

　子ども食堂や子どものいる家庭に食料や日用品などを届ける「子ども宅食」など、さまざまな支援を行っている同ネットワーク。多くの人とつながる中、学費や生活費を自身でまかなっている学生も多く、コロナ禍で厳しい状況にあることを耳にしたという。

　同世代の子どもを持つスタッフが多いこともあり、学費を負担することの大変さは身にしみて分かっていた。また、昨年１２月、別の団体が同様のイベントを実施した際に食料品を寄付し、会場の様子を見た堀之内理事長は「学生のニーズがあると実感した」。イベントから１年が過ぎたことも重なり、企画した。

　この日は、リラクゼーションルーム「リップ」（岩永たまき代表、伊達町）が同ネットワーク支援のために先月開いた「チャリティーマーケット」の益金を一部活用。缶詰やレトルト食品、必需品である市の指定ごみ袋のほか、クリスマスケーキも用意され、ビニール袋と紙袋各１袋ずつが１セットとして配布された。

　午後３時の配布時間には次々に学生が訪れ、「え、こんなに？」「めっちゃ重い」と両手で抱えて笑顔。この他、食料品、菓子、生理用品やタオル、米などを自由に持ち帰ることができるコーナーもあり、スタッフの「好きなだけ取っていいよ」「これ助かるよ」などの声掛けに感謝しながら受け取っていた。
友人と一緒に訪れた女子学生（２０）は「１人暮らしなので正直ありがたい。バイトをしているがお金がたまらない。たくさん頂けてびっくりしている」と感謝した。

　ボランティアとして運営を手伝った九州保健福祉大学の河野翔真さん（１９）は「１人暮らしにとってこの量をもらえるのは助かると思う。活動自体がありがたい」、日髙桜里菜さん（１９）は「大学で学んでいることを生かしている大人たちを間近で見れて、刺激になった」と感想。

　堀之内理事長は、「誰でも来ていいという雰囲気の中で助かる人がいればいい。今回の反省点を生かし、自然な支援が続けられれば」と話した。