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菌培養で共同研究

本紙掲載日:2022-01-05
8面
オンラインでタイの生徒と共同研究発表する延岡高校メディカルサイエンス科の2年生

延岡高MS科とタイの高校生

◆オンラインで成果を発表

 タイの高校生と、菌の培養に関する共同研究に取り組んでいる県立延岡高校(川越勇二校長)メディカルサイエンス科の2年生7人がこのほど、現地とオンラインで結んで研究発表会に臨んだ。

 生徒らは、同校が文部科学省から指定されているスーパーサイエンスハイスクールの事業で昨年11月から、タイの首都バンコクのスアングラーブ・ウィッタヤーライ・ランシェット中等教育学校の高校2年生6人との共同研究を進めてきた。

 研究では細菌を簡単に培養・計数できる検査キットを使い、日本とタイでそれぞれにドアノブ、スマートフォン、電気スイッチ、冷蔵庫扉の取っ手、食卓の上から採取した菌を比較。暗所で時間と温度をそろえて培養した。

 実験作業の進め方や経過などについてはインターネットのオンライン通信や電子メールで情報共有。互いに学校で学んでいる英語でのやり取りを重ねてきた。

 研究発表もパソコンの画面越しに顔を見ながら会話し、研究結果のデータ資料を示しながら延岡高生は1人ずつ、タイは代表生徒が説明。研究結果に大きな差はなかったが、日本では有毒とみられるピンク色の細菌が発現し、「タイと違い四季があり、湿度も高いからではないか」などの考察が発表された。

 共同研究について、タイの生徒は「オンラインだったのでコミュニケーションが取りづらく、情報が間違って伝わったこともあった」としつつ、「違う国の生徒と研究発表でき、互いの文化を知り合えたのもよかった」と振り返っていた。

 双方の生徒を指導した九州保健福祉大学保健科学部の竹澤眞吾教授は、日本にとって東南アジア諸国連合(ASEAN)地域の重要性が増す中、今回参加したタイの生徒は将来、国家で重要な役割を担う人材だと説明。共同研究を通じた交流が貴重な機会となったと総括した。

 流ちょうな英語で発表をリードした山口百華さんは「コミュニケーションが大変でしたが、何回か重ねるうちに互いの意図が伝わるようになり、これからの人生にとっていい経験になりました。タイに行ったら会う約束もしています」と話した。

 延岡高は今後もタイの同校と交流を続け、来年度、新型コロナウイルス感染症による渡航制限が解除されれば、相互に生徒を派遣することにしている。

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