本紙掲載日:2023-01-17
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藻場再生へ取り組み−宮崎海洋高が体験学習

日向・採介藻グループが協力

◆平岩の海岸でウニ除去

 宮崎市の県立宮崎海洋高校(持永一美校長)の海洋科学科2年生は10日、日向市平岩の海岸で藻場(もば)再生活動を体験した。活動には、同地区の藻場再生に取り組む平岩採介藻グループ(盒僅柁浪馗后砲協力。ウニ除去の体験などを通して水産資源を守る持続的な環境づくりについて学んだ。

 藻場は海藻の群落のこと。小魚などの産卵や成育の場として水生生物の生活を支え、海水の浄化などにも大きな役割を果たす。しかし、近年は増えすぎたウニの食害などで海藻がなくなる「磯焼け」が全国的に問題となっており、平岩地区では地元の漁師が2010年に同グループを結成。ウニの除去による海藻の増殖に取り組んでいる。同活動は水産庁が主催した「磯焼け対策全国協議会」でも先進事例として紹介された。

 同体験は、海洋環境学習の一環で、今年が3年目。この日は、生徒11人のほか、同校の教師、盒恐馗垢蘰吋哀襦璽廚離瓮鵐弌治型諭県と市職員らが参加した。生徒たちはウエットスーツを身に着け、高橋会長から説明、注意事項などを聞いた後、海の中へ。

 生徒は、同グループのメンバーらから指導を受けながら、約2メートルの海底まで潜水。プラスチックの棒などを用いて海藻を食い荒らすウニを突いて回り、約1時間の活動で約500個を駆除した。

 盒恐馗垢蓮屮Ε暴去による効果を実感している。グループの課題は高齢化。若い3人が新たに加わってくれたが、もっと多くの人をまきこんで輪を広げたい」と期待。椎葉徹充さん(17)=財光寺中出身=は「藻場が広がり、いろんな魚が増えたらうれしい。機会があれば、また協力したい」と話した。

 市によると、同グループの活動開始から約10年間で、同地区の藻場面積は約20倍の広さに拡大しているという。

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