本紙掲載日:2023-01-19
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2023年新春インタビュー(7)−甲斐宗之高千穂町長

世界に誇る地域資源

◆生かし稼ぐまちづくりを

−−昨年はご自身にとってどんな年でしたか。

1期目の最終年であり、任期を総括して次につなぐ指標を定める重要な年でした。コロナ禍でイベント開催や観光誘客などが進まないもどかしさはありましたが、町制施行100周年記念式典をはじめ、複数イベントを誘致、開催することができました。町のにぎわいも戻りつつあり、少しずつコロナ禍からの出口が見えてきたように感じます。

−−町の強みや課題に対して、昨年の取り組みの総括を。

高千穂峡に代表される観光地や神話の舞台としての知名度、世界農業遺産やユネスコエコパークという世界基準の農林業複合システム、夜神楽といった伝統文化などが強みに挙げられる一方、観光スポットが局地的である点は改善すべきです。旅行形態が団体から個人にシフトする中、豊かな自然や景観を観光へ生かそうと「高千穂アドベンチャーツーリズム協議会」を設立しました。今後は風景へつながるアウトドアアクティビティとして、登山ガイドの充実、サイクルツーリズムの推進、パックラフト(手こぎゴムボート)で稼ぐ観光資源を創出します。

−−新型コロナウイルス感染症対策について、今後の方針は。

本町では集団接種を中心に高い接種率を維持してきましたが、それでも第8波は食い止められず、改めて対策の難しさを感じています。しかしながらウィズコロナの在り方が徐々に確立し、今後は治療法や薬の開発も一層進むと思われます。感染症法上での位置づけも変わると推察しますので、国や県の方針に沿いながら適切に対処します。

−−台風14号被害について、復興への思いを。

農地・農業用施設980、カ所道路・河川577カ所、観光の柱である高千穂峡は遊歩道が不通になるなど、各所で甚大な被害が発生しました。国の災害復旧事業で対応する箇所は現在も査定が続いており、職員が懸命に応対してくれています。激甚災害に指定されたことについては補助率のかさ上げや一部交付税措置が見込め、農地等についても受益者負担が大幅に減ることから耕作の継続意欲につながると感謝しています。観光客誘致、住民の利便性と安全性の確保、農地維持等のため、早期復旧に全力を挙げる覚悟です。

−−今年の抱負を。

世界に誇る地域資源を生かした稼ぐまちづくりに取り組みます。大分県別府市、熊本県阿蘇市と昨年交わした広域観光連携に関する覚書を実績につなげるほか、産業振興や企業誘致、移住定住の面から交通インフラ整備は重要であり、施工中の九州中央自動車道早期完成に向けて沿線自治体と連携した働き掛けを強化します。また、町産品のブランド力を生かし、地域商社高千穂まちづくり公社に委託する事業所運営やふるさと納税事業の実績向上、起業を支援する未来づくり事業部の設立を目指します。「日々是(これ)挑戦!」の意気込みで活気ある高千穂町をつくりたいです。

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