本紙掲載日:2023-01-21
(7面)

遊び心あふれ、じんとくる一冊

アーナー恵子さんのオリジナルキャラ・ワッショイ星人の絵本出版

 延岡市鶴ケ丘在住の現代美術家、アーナー恵子さん(62)のオリジナルキャラクター「ワッショイ星人」が絵本になった。一人一人の心に寄り添って応援してくれる。延岡の名物がたくさん登場するのも魅力だ。

 題名は「ワッショイ星人がやってきた」。2012年に誕生してからこれまでにアーナーさんが描いた同星人関係の画集でもあり、描き下ろしの油彩画だけでなく、16年にコルシカ美術賞で入選した「ワッショイ星人高千穂神楽に行く」「行縢山からこんにちは」や昨年、木城町の比木神社に奉納した天井画なども収録した。この他にも水墨、ペン、コラージュなどさまざまな画材・手法で描いてきた作品に文を添えた。

 11年は東日本大震災、その前年は県内で口蹄(こうてい)疫が発生、アーナーさん自身も夫のハワードさんを病気で亡くし、12年は日本中が悲しみから立ち上がろうともがいていた時期。その中で生まれたワッショイ星人は、とにかく優しい。絵本では、誕生のいきさつと性格を物語風に紹介している。

 背中を押してくれるが、お説教はしない。集団行動を好むが、誰か違うことをしているからといって怒ったりはしない。そして焼き芋が大好き。

 好物を集めたペン画をじっくり見ると、芋の他に三蔵(みつくら)、アユ、新玉ネギ、モモ、クリ、イチゴ…と延岡のおいしいものが勢ぞろい。すべてのページの隅っこには、芋を持って踊る姿が小さく描かれており、遊び心あふれ、ちょっぴりじんとくる一冊になっている。

 アーナーさんが英会話の講師でもあることから、英文が付いているのも大きな特徴。「夢は世界中の人に届けること」。コルシカ島(フランス)だけでなく、韓国での2人展、ハワードさん方(アメリカ)の親族を通じた作品展示などで既に少しずつ披露している。

 A4判オールカラー、28ページで、税込み1430円。発行は鉱脈社(宮崎市)。500部を作った。自費出版だが、同社を通じて県内の各書店に並んでいる。

◇3月に作品展とイベント

 アーナーさんは3月に同市駅前複合施設エンクロス(幸町)のDIYスペースで、この絵本の原画展やイベントを開く。

▽ワッショイ星人がやってきた原画&作品展=3月3〜22日
▽ワッショイ星人ランド=3月21日午後1〜2時。絵本の読み聞かせ、「お絵描きおばさん」「塗り絵で遊ぼう」を予定している。

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