本紙掲載日:2023-01-21
(8面)

乾しいたけ、1キロ平均4226円−初入札会

初入札を前に、出品された乾しいたけを入念に確認する商社の担当者

昨年並みの量も良品質−JA宮崎経済連

 全国2位の生産量を誇る乾しいたけの初入札会が17、18日、日向市塩見のJA宮崎経済連椎茸(しいたけ)流通センターであった。主催は同経済連(坂下栄次会長)。椎葉村、諸塚村、西臼杵郡内などで昨年秋に収穫された「秋子」の乾しいたけが出品され、1キロ当たりの平均価格は前年より156円高い4226円だった。

 初日の17日は入札会を前に、日向市日知屋の大御神社で祈願祭があり、坂下会長やJA高千穂地区の佐藤友則組合長、生産者代表でJA日向椎茸部会の田中久智部会長ら関係者約60人が出席、神前に玉串をささげるなどして今年一年の無事故と今後の発展などを祈った。

 その後、椎茸流通センターに移動して初入札会式。あいさつに立った坂下会長は「シイタケは宮崎の中山間地域を守る大事な産業。農家の皆さんが元気になるような入札会になってほしい」と期待。産地や生産者、商社の代表らがあいさつした後、入札指定商社でつくる宮経椎茸会の伊藤敏夫理事の音頭で乾杯した。

 この日はまた、入札指定商社による下見会もあり、関東や関西など県内外から参加した21社の担当者が、箱や袋に詰められた乾しいたけ約786点(約7トン)を入念に確認。原木や菌床栽培の冬據覆匹鵑魁法香信(こうしん)などホールやスライス状などの乾しいたけを手で触ったり、香りをかいだりしながら、大きさや色、重さ、乾燥具合などの品質を見定め、入札価格を設定していた。

 宮経椎茸会の会長を務める飯干商店(同市日知屋)の飯干義輝社長は「初入札としては近年で一番の量、質がそろっていた。後継者問題や異常気象の影響など業界を取り巻く状況は厳しいが、産業維持のため生産者に還元できるよう頑張って入札したい」と話していた。

 同センターによると、初入札会の出品量は例年並みだが、昨秋に雨が少なかったため良品質のシイタケが集まったという。18日の初入札ではすべてが落札され、門川産の乾しいたけには祝儀相場で1キロ当たり1万円の高値が付いた。

 入札会は年12回程度開催。秋子の入札は2月まで続き、約30トンの出荷を見込む。1〜4月に収穫する「春子」は3月から出荷が始まるという。

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