本紙掲載日:2023-01-23
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高千穂あまてらす鉄道がモニター体験会

大型連休、夏休みを視野−夜間特別便とTR車両の運転延伸

◆売り上げ向上へ新企画

 高千穂あまてらす鉄道(盪格孤Ъ卍后砲錬横案、新たな売り上げ向上プランとして「グランドスーパーカート夜間特別便」と「鉄道車両『TR−202』運転体験延伸」のモニター体験会を開いた。将来、大型連休や夏休みなどの売り上げ向上戦略の一つとして展開する考えで、体験会には町役場や町内外の事業関係者ら16人が参加。同鉄道のさらなる可能性を体感した。

 観光庁の「2022年度地域独自の観光資源を活用した稼げる看板商品創出事業」を活用、同町と観光振興に関する包括連携協定を交わしているオマツリジャパン(本社・東京都、加藤優子社長)などと企画の開発に当たっている。

 高千穂駅舎―高千穂鉄橋(往復約5キロ)の自然を楽しめるトロッコ列車「グランドスーパーカート夜間特別便」は、日中便よりもゆったりと走るカートから望む夜景、通常は行わない飲料(ソフトドリンク・アルコール)や軽食の提供などが新たな試み。

 車両運転体験は、旧高千穂鉄道の車両TR−200形気動車TR−202を活用。元運転手の指導で、走行区間を従来の往復約600メートルから往復約1・2キロに延伸させ、これまで運行が出来なかった本線上で初めて運転する。初の本線上の走行が最大のアピールポイントという。

 モニター体験会は一般販売に先駆け、満足度の検証や流通化に向けた意見交換などを目的に実施された。

 参加者は、車両やカートから景色を眺め、童心に帰ったような表情で各コンテンツを満喫。「ボーーーッ」という汽笛を鳴らし、本線へ走り出す在りし日の面影に、駅舎近くから車両を見詰めていた関係者からは「涙が出る」といった声も聞かれた。

 体験後は各自アンケート用紙を記入。グランドスーパーカート夜間特別便は今年5月の大型連休に販売開始を予定。延伸した車両運転体験の開始時期については検討中で、価格はいずれもアンケートなどを参考にして決めるという。

 福岡県から参加した安永淳さん(61)は「観光客はもちろん、町民にも喜ばれるコンテンツだと感じました。本線を走る車両は懐かしい光景だと思いますし、夜間特別便に関しては宿泊業や夜神楽との相乗効果も期待できるのでは」と感想。

 元TR運転士の齋藤拓由専務(48)は「今後も文化、学び、歴史と、多彩なコンテンツを検討中ですし、運転体験についてはもっと距離を延ばしたい思いもあります。魅力ある資源を生かし、町の観光振興に貢献したいです」と話した。

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