本紙掲載日:2023-01-23
(7面)

再会誓い「おさらばー」

師走祭り最終日「下りまし」−美郷町南郷

 美郷町南郷の神門神社と木城町の比木神社に伝わる百済王族の亡命伝説にちなむ「師走祭り」は22日、神門神社などで最終日の祭事「下(くだ)りまし」を行った。3年ぶりにみそぎや迎え火などすべての祭事を行った両神社の一行は、別れを惜しみながら来年の再会を誓い合った。

 伝説によると、滅亡した百済から王族が日本に亡命し、父・禎嘉王が日向市金ケ浜、長男・福智王が高鍋町の蚊口浦に漂着したとされる。祭りでは、比木神社の一行が神門神社を訪ねて巡行し、年に1度の再会を果たす。

 最終日は、お別れ式として両神社の神職や総代らが魚の塩焼きと杯を回しながら食べた後、別れの悲しみを隠すためにヘグロ(墨)を顔に塗り合った。観光客や地域の人たちも巻き込み、真っ黒になった笑顔が境内に広がった。

 いよいよお別れの時。神門神社一行は、田んぼ道を帰って行く比木神社一行を横一列になって見送り。炊事道具を掲げながら「おさらばー」「また来年」と互いに姿が見えなくなるまで大声で別れの言葉を掛け合っていた。

 神門神社の橋口次博氏子総代長(74)は「新型コロナ感染拡大で中止の選択肢もあったが、なんとかできた。おせったいができない場面もあったので、来年こそコロナが終息し、100%の師走祭りをやりたい」と話した。

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