本紙掲載日:2023-01-28
(3面)

消火や文化財を持ち出す

重要文化財に見立てた箱を運び出す高千穂神社の神職たち(27日)

消防と合同訓練−高千穂神社

 高千穂町の高千穂神社(後藤俊彦宮司)で27日、火災防御訓練があった。西臼杵広域行政事務組合消防本部、町消防団、神職ら約40人が参加。初期消火や文化財の持ち出し、参拝者の避難誘導といった一連の流れを実践した。

 訓練は、ストーブが倒れて出火。初期消火を行ったが延焼し、逃げ遅れた参拝者1人が拝殿に取り残されている―という想定で実施された。

 火災を発見した神職が大声で避難を促し119番通報、水消火器による初期消火を行いながら、拝殿に収められている国指定重要有形文化財「鉄造の狛(こま)犬一対」に見立てた箱を持ち出した。

 間もなく駆け付けた同消防本部と消防団員が、建屋と延焼箇所の二手に分かれて消火を遂行。煙が充満していると仮定した拝殿から、レスキュー隊が統率の取れた動きで要救助者を救出した。

 鉄造の狛犬一対、神像四体などの重要文化財を保有する高千穂神社は毎年、同訓練を行っているが、消防本部らが参加する合同訓練は3年ぶり。2020年以降、感染症対策で同宮単独での実施が続いていた。

 観閲した日皸貍湿男苗垢蓮嵎顕什發論菴佑築いた貴重な財産であり、損失すれば元に戻ることはない。火器の取り扱いには十分注意し、高い防災意識を持ち続けていただきたい」と講評。

 後藤宮司は「目に付く場所に通報先を掲示するなどの備えが大切だと感じた。一度でも経験しておくと有事の際に落ち着いた行動が取れるようになると思うので、とても充実した訓練になりました」と話した。

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