本紙掲載日:2023-01-31
(2面)

大型バスとトラック、衝突事故想定し訓練

実際のバスを使って行われた延岡市消防署と宮崎交通延岡営業所の合同訓練
けがの程度などで色分けした区画に集められた要救助者役の参加者

延岡市消防署と宮崎交通・九保大生が参加

 延岡市消防署(河原武博署長)と宮崎交通延岡営業所(豊丸佳郎所長)は21日、市消防本部屋外訓練場で、大型バスとトラックの衝突事故を想定した合同訓練を実施し、要救助者の救出や誘導など有事の際の連携、役割を確認した。

 両機関は17日にも合同訓練を実施。その時は消防署員がバスの基本構造や小型、中型、大型車両の非常口、乗降口の開放の方法などを学び、今回はそれを踏まえて大規模かつ実践的な訓練に取り組んだ。

 訓練は、九州保健福祉大学に向かって走っていた大型バスが、延岡市天下町の県道で大型トラックと衝突し、バスの乗客が多数負傷しているとの想定で行われ、要救助者役として同大学の学生らも参加した。

 119番通報を受けて駆け付けた消防隊は、二手に分かれてバスの前方と後方の窓から車内へ。要救助者役には現在の脈拍数やけがの状況などが記載されたプレートが渡されており、隊員らはそれを踏まえ、重症度合いごとに赤、黄、緑で色分け。自力で歩ける軽症者(緑)から先に車外へと誘導し、自力で歩けない中等症(黄)、重症者(赤)は担架で救出した。中等症の要救助者として訓練に参加した同大学社会福祉学部の黒木翔さん(19)は「最初は怖かったが、隊員の方たちが優しく何度も声掛けしてくれた。プロの救助技術はすごいと思った」と感想。

 豊丸所長は「宮崎交通でも独自の訓練は行ってきたが、今回、消防の方々と合同で訓練したことで、交通事故はこれだけ大がかりになってしまうということを、身をもって感じることができた。改めて『絶対に交通事故を起こしてはいけない』という認識を、ドライバー含め営業所内で共有していきたい」。

 今回の訓練を企画、立案した市消防署消防第2課の黒木貴文救助第2係長は「半年の期間を経て、ようやく実施できた。延岡市内では現在、高速道路も含め数多くのバスが運行している。実際のバスを使った訓練は救助する側にとっても、される側にとっても有意義なもの。今後もぜひ、継続していきたい」と話していた。

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