本紙掲載日:2023-02-03
(3面)

車検証−電子化で小さく

電子車検証の導入を知らせる資料(国土交通省の特設サイトより)
従来の車検証と電子車検証との大きさの比較(国土交通省の特設サイトより)

先月から・ICタグに詳細

◆閲覧にはアプリ、戸惑いも−更新、時間と労力が軽減

 国土交通省は今年1月から発行する自動車検査証(車検証)を、IC(集積回路)タグ付きの「電子車検証」に変更した。車検手続きが短縮されるメリットがある一方、詳しい車両情報を閲覧するために必要なアプリケーションの使い方などについて、利用者から戸惑いの声も聞かれる。

 電子車検証は、従来のA4サイズ(210×297ミリ)を約3分の1にコンパクト化(105×177ミリ)した厚紙1枚。記載事項は必要最小限で、車両情報など詳細はICタグに記録されている。

 車検証の電子化に伴い記録等事務代行サービスも開始したため、運輸支局から委託を受けた民間車検場(指定整備工場)は原則、継続車検(更新)や変更記録手続きの際に同支局へ出向く必要がなくなり、時間と労力が軽減。宮崎運輸支局(宮崎市)から遠い県北には恩恵が大きいと言える。

 電子車検証の導入に対し、延岡市昭和町で指定整備工場(中央ホンダ)を営む中矢俊洋社長は、「これまでは納車、点検して、後日に書類を郵送またはお届けしてステッカー(検査証票)を貼付する必要があった。今後は自社で記載内容を更新してステッカーも交付でき、1日で済むので、ユーザーさん(顧客)にとっても、貼り忘れや車検証の載せ忘れがなくなる」とメリットを語った。

 電子車検証が交付された後には専用の「車検証閲覧アプリ」に利用登録することで、従来と同じ様式の車検証を閲覧したり、印刷のためにダウンロード(データ取り込み)することが可能になるほか、車検手数料のクレジットカード納付(軽自動車は準備中)、車検時期が迫るとスマートフォンへ自動通知するサービスも利用できる。

 ただ、この1カ月に車検を終えた人からは、車検証の小型化で記載文字が小さくなり「見づらい」といった声や、従来様式と違うため「車検証の有効期限が(記載されていなくて)分からない」、「アプリの利用法が分からない」など、不満や戸惑いの声も聞かれる。

 それでも、中矢社長は「まだ電子車検証が導入されたばかりで、これから車検台数が増えていけば、浸透して便利さを感じる人も増えていくのではないか」と話している。

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