本紙掲載日:2023-02-07
(2面)

災害への備え「広い視野を持って」

香川大特任教授・金田さんが講演−延岡

 地域の防災力強化に向けて意見を交わす「防災減災CAFE(カフェ)」が3日、延岡市牧町のリバーパル五ケ瀬川であり、近隣の区役員や住民、小学校の教員ら約50人が参加、講演とグループワークを通じて災害発生時に命を守るにはどうしたら良いかを考えた。





◆リバーパルで防災減災CAFE

 地域住民を対象にした防災意識啓発の取り組みとして、NPO法人五ケ瀬川流域ネットワークが初めて開いた。

 前半は、南海トラフ巨大地震の防災研究などに取り組む香川大学特任教授の金田義行さんが講演。地震が起きる原理や減災に向けた具体的な対策などを説明し、「地震による被害の大きさは、地盤の軟らかさや建物の構造で変わる」「建物の基礎部分に積層ゴムなどを設置する『免震構造』は、短い周期の地震動には強いが長周期地震動には弱い」「南海トラフ地震では短い周期と長周期の地震動が同時に来る」などと話した。

 また、東日本大震災の際に起きた「河川津波」を例に、「有事の際、いつもの避難道が使えるとは限らない」と強調。別の避難経路を常に模索しておくことなど、広い視野を持って災害に備えることの重要性を説いた。

◇地域の地震・津波への備えと課題は−参加者同士が意見交換

 後半は、飲み物を飲みながら参加者同士がざっくばらんに意見を交わすグループワークを実施。|録未篦吐箸悗糧えと課題冬の深夜に大きな地震が発生したらどうするかをテーマに話し合い、班ごとに考えをまとめた。

 各班からは「防寒対策として毛布は必須だが、両手がふさがって邪魔になるのではないか」「地区指定の避難所に行くのに、海に向かって進まなければならないのが不安」などさまざまな意見が出され、金田さんは「小さくて軽いホッカイロを用意するだけでも、かなり暖かい」「自宅周辺に別の避難所はないのか、もう一度確認してみては」などとアドバイスした。

 牧町の中須恒孝さん(70)は「水害への対策として、常にライフジャケットを用意している。ずっと五ケ瀬川の近くに住んできたので、この地域には愛着がある。今回、いろんな方の意見を聞いて、改めて防災・減災への意識を深めることができた」と話していた。

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