本紙掲載日:2023-02-09
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2023年新春インタビュー(16)−林田洋二宮崎太陽銀行頭取

本格回復の年にと強く期待

◆活性化に一つでも二つでも貢献

−−昨年は新型コロナ感染拡大に加え、台風災害に見舞われました。県内経済への影響をどう振り返りますか。

昨年は台風14号被災により、とりわけ県北地域においては、お取引先の事業運営への影響のほか、住宅の床上浸水等により住民の方々の生活にも大きな影響が見られ、宮崎という土地で生活していく上で、自然の猛威が常に身近にあること、そして、日頃からの備えが非常に重要であることを改めて感じさせられました。
また、長期化するコロナ禍の最中、全国旅行支援等の施策を後押しに、観光を起点とした消費活性化の動きが一時期、見られたものの、総じて、宿泊業や飲食業といった個人消費関連をはじめとする幅広い業種で売り上げ減少等の影響が続きました。さらに、コロナ禍に海外情勢の変化に伴う資源高騰も加わったことで、お取引先は一層、厳しい環境での事業運営を余儀なくされた年であったと認識しています。

−−今年はWBC日本代表合宿、G7農相会合、置県140年の県人会世界大会などの大規模イベントがあります。どんな一年になると感じていますか。

2年8カ月ぶりの国際線就航となった昨年、ソウルからのツアー客が県内各地の観光地やゴルフ場を訪れ、消費活性化につながっています。今年は、コロナ禍以前に本県経済の一端を支えていたインバウンドやスポーツキャンプ等を通じた個人消費の持ち直しが十分に見込めると考えています。
また、G7農相会合や県人会世界大会は、宮崎が誇る食や農業、恵まれた自然の魅力を世界に発信し、更なる観光誘客や県産品の海外展開につなげることのできる絶好の機会です。今年もコロナ禍や世界情勢、資源高騰の不透明感は残りますが、本県経済が本格回復に向かう一年になることを強く期待しています。

−−事業所支援や地域経済復興への意気込みを教えてください。

コロナ禍や資源高騰の度重なる難局に置かれながらも、創意工夫でそれらを乗り切ろうと健闘されるお取引先の姿を目の当たりにし、改めて私たち地域金融機関が担う社会的役割の重みを感じています。
当行では、お取引先支援は地元の関係者が一体的かつ包括的に進めるべきとの考えに基づき、中小企業活性化協議会や事業承継・引継ぎ支援センター等の地元支援機関と連携した支援のほか、トレーニー制度等の活用による若手行員の育成にも取り組んできました。
引き続き、全役職員が「お取引先支援は地域金融機関の最も重要な使命の一つであり、お取引先の成長と本県経済の底上げにつながる」という考えを堅持しつつ、営業店・本部、グループ会社、地元支援機関間の連携を図りながらお取引先に寄り添った経営課題解決に取り組み、資金繰りや本業のお手伝いといった経営改善、事業再生に資する活動に努めてまいります。そうした活動の結果として、本県の地域活性化に一つでも二つでも貢献していく年にしたいと考えております。

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