本紙掲載日:2023-02-17
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2023年年頭インタビュー(20)− 中野賀津也旭有機材社長

連結業績、過去最高の見込み−数年の布石が結果に

◆大きい延岡製造所の貢献度

−−23年3月期上期決算で過去最高の業績となりました。どのように評価されていますか。

2022年は、約2カ月を残した時点でグループでの連結売上高・営業利益が過去最高となる見込みです。当社がこの数年打ってきた布石が結果につながったと考えています。特に、管材システム事業は、昨年に引き続き米国、中国、韓国といった海外拠点と半導体分野が収益をけん引しました。旺盛な引き合い・需要に対して、延岡製造所が生産性向上など新たな取り組みを強化し、供給できたことの貢献度が大きいですね。
当社は製品を売るだけでなく、設置やアフターフォローなど顧客サービスを含めた「実装」を重視し、それが評価されています。金属配管に比べると樹脂配管はニッチな分野であるため、顧客や施工業者側の知見や経験が不足しています。そういった不安解消に天下町のエンジニアリング部および管材テクニカルサービス(PTS)が貢献しています。
とりわけ九州地区はシリコンアイランドと呼ばれ、ますます半導体関連の投資が増加している中で、設備で要求される高い耐食性を持つ樹脂配管にニーズが高まっています。施工ノウハウを含めて当社の製品やサービスへの期待が大きいですね。
樹脂事業の電子材料分野では22年に、愛知工場(愛知県丹波郡江南市)内で新工場建設を、中国拠点(江蘇省南通市)ではノボラック樹脂の増強を決めました。当社の電子材料はレガシー半導体と先端半導体の両方に向けて供給していますが、特にレガシー向けの需要の大きさが想定を超えています。これには製造能力の強化と自動化を進めることで対応するつもりです。


−−自社開発アプリをはじめとする延岡でのデジタル化の手応え、今後の計画についてお聞かせください。

延岡製造所のNK推進グループでは、製造所内での現場業務のデジタル化を進めるために現在約20個の内製化アプリを製作し、生産効率を約1割向上させることを実現しました。
「『はじめて』に挑み、『違い』をつくる」という当社の目指す姿を実現するために、これからも当社にとって「はじめて」のデジタル基盤を社内で構築する活動を続けていき、これまでとは「違う」より現場で使いやすいシステムを構築していきたいと考えています。
現在は製造所内の業務を中心にシステムをつくっていますが、今後は営業や管理部門などに横展開することも検討しています。

−−今期で中期経営計画の全業績目標を達成できる見込みとなり、すでに見直しに着手されています。同計画中間年度にも当たる2023年の展望はいかがでしょうか。

中期経営計画については、既に現時点において全業務目標を達成する見込みであるため、現在、鋭意見直し中であり、今期末には新たな目標値や施策の一部変更等について発表する予定です。
23年も電子産業への建設投資は継続すると言われており、特に管材システム事業がけん引する形で、当社の業績も引き続き好調に推移すると期待しています。

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